携帯電話マルウェア「Transmitter.C」が出回る - (page 2)

文:Dancho Danchev(Special to ZDNet.com) 翻訳校正:石橋啓一郎 2009年07月09日 09時15分

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--Transmitter.Cが他のSymbian OSのマルウェアと違うところはどこですか。

 これまで見つかっているSymbian OSのマルウェアと比べると、Transmitter.Cはさらに感染性と有害性が強まっています。このマルウェアは、共同して働くサーバを持つだけでなく、携帯電話で使用されている言語に動的に適応して、住所録にある電話番号や無作為の電話番号に、異なる言語でショートメッセージを送ります。さらに、リンクを持つひわいな内容のショートメッセージを利用することで、ユーザーを誘導してクリックさせ、このマルウェアをインストールさせます。もしこのウィルスが携帯電話に送られてくれば、ユーザーに大きな経済的な損失と、評判の危機を与えることになるでしょう。

--このマルウェアの伝搬ベクトルとして挙げられたソフトウェア、Advanced Device Locksは正規のソフトウェアですが、これは正規のソフトウェアがブランドジャックされ、修正されており、これがユーザーをだましてインストールさせるために使われているということですか。

 その通りです。このウィルスは、正規のソフトウェアを偽装して送信することができます。偽装の方法は、通常のソフトウェアに実行可能なウィルス本体を付け加え、ユーザーを誘導してインストールさせるというものです。

--このマルウェアの作者は、この攻撃を収益化し、その過程でなんらかの利益を上げようとしているのですか。それとも、Transmitter.Cは基本的に概念実証のためのもので、ユーザーが被る被害は、短い間隔でSMSメッセージが送信されるため、多額の課金をされるだけなのですか。

 このマルウェアは、金銭的な利益を得ることを目的として設計されたものです。Transmitter.Cは、いくつかの悪質なリンクを広めています。このマルウェアはユーザーを一部のサービスに強制的に登録させ、ユーザーに課金をする可能性が高いと思われます。これらの悪質なリンクは、ユーザーに自分の携帯電話にウィルスをダウンロードさせる可能性があり、その場合そのユーザーもウィルスを広げる立場になります。

--現在の携帯電話のマルウェアについてはどのようにお考えですか。少額支払い市場の成長は、サイバー犯罪者の携帯電話マルウェアへの関心を強めることになるでしょうか?それとも彼らはスマートデバイスに保存されている知的財産のデータを狙うでしょうか。

 それら2つの側面が、携帯電話のマルウェアの主要な攻撃対象となるでしょう。

 われわれの意見では、携帯電話の知性化とネットワーク帯域の増加によって、携帯電話のマルウェアは増え、それらの送信手段も増えていきます。さらに、多くのユーザーは銀行口座、連絡先リスト、写真などのプライバシー情報を保存することに慣れており、また携帯電話が支払い機能を持っていることから、携帯電話のマルウェアは一般的なコンピュータのマルウェアよりも大きな危険をもたらすでしょう。

 われわれが捕捉したウィルスの調査結果によれば、多くの携帯電話マルウェアは、依然として自動的にネットワーク接続を行い、自動的に悪意のあるショートメッセージを送ることで、ユーザーに課金をするように設計されたものです。少数のマルウェアが、ユーザーのプライバシー情報を盗むものになっています。特に、ユーザーの携帯電話に保存されているプライバシー情報(ショートメッセージ、連絡先リスト、写真など)が、今後マルウェアの主な標的になると考えられ、ショートメッセージやネットワーク接続を通じてこれらの情報が送信され、ユーザーのプライバシーの暴露につながる可能性が高いでしょう。

この記事は海外CBS Interactive発の記事をシーネットネットワークスジャパン編集部が日本向けに編集したものです。 原文へ

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