不眠症なんてコワくない!--田代センセーのメンタルテクニック(28) - (page 2)

田代真人(マイ・カウンセラー)

2009-08-27 08:00

 これはまだ私が20歳代の時の話なので、若かったからできたのかもしれません。しかしそれ以来、眠れないことを恐れることはなくなりました。逆にこの時期は乱読三昧で、昔の映画も気になるものはすべて観ました。その時の知識の蓄えは、非常に有益なものをなっていまだに私を支えてくれています。当時「人生の夢は起きている時に見る」と自分に言い聞かせ、夜の時間を楽しむ方向に変えました。しかし日中は仕事で起きていなければなりませんので、やはり夜の楽しみも続きません。そうして、いつの間にか不眠症はなくなっていったのです。

眠りをコントロールしてみよう

 もちろん危険を伴うお仕事の方にはお勧めしませんが、この方法を突き詰めると今度はうまく眠りをコントロールできるようになります。

 私は、先の経験があったことから、その後の現役編集者時代は1日3時間睡眠を10年以上続けました。もちろん休みの時はぐっすりと8時間ほど眠ってはいました。寝だめが有効だとは思いませんが、このころから私は眠りをコントロールできるようになっていったのです。徹夜が続いて眠くなったら、タクシーでの移動中に「20分だけ眠る」と決め、タクシードライバーに「行き先わかりますか?」と聞いて、行き先がわかるタクシーにしか乗らないようにしました。乗ったら目的地に到着するまでの20分間、確実に眠るのです。電車の中では、携帯の無音アラームを仕掛けて眠ります。

 さすがに最近は歳をとり、「完徹」ができなくなってきました。今でも夜眠れない日が時々ありますが、体力もなくなっているので昔のように夜を楽しむことも難しくなってきました。そんな時は、またまた考え方を変えて対処しています。

 「目を閉じている時は眠っていることにする」と勝手に自分で決めたのです。午前0時にベッドに入れば、その時に目を閉じますよね。そこからが睡眠の開始です。1時間眠れなくても2時間眠れなくても目を閉じていれば、それは睡眠だと考えるのです。そうすれば「眠れない」という概念がなくなります。いろいろな考えもアタマに浮かびますが、それは座禅を組んでいる気持ちになりましょう。目を閉じて無心になるのです。瞑想ではありません。瞑想は目を閉じて何かを頭の中でイメージすること。それではなく無心に目を閉じるだけです。

 そう考えれば、焦ることもありません。ほかの人がどうであれ、自分にとっての睡眠は目を閉じること。自分の常識は自分で作ればいいのです。発想の転換で不眠症は克服できるのではないでしょうか。

田代真人
筆者紹介

田代真人
マイ・カウンセラー 代表取締役。九州大学工学部機械工学科卒業後、朝日新聞社を経て学習研究社へ。ファッション女性誌「ル・クール」編集者の後、主婦向け実用雑誌 「おはよう奥さん」の創刊メンバーとして、主婦の悩みを解決する「悩み相談センター」を開設する。その後ダイヤモンド社へ移籍し、「ダイヤモンド・ブレイク!」「ビットビジネス」など数々の雑誌を編集長として創刊した後、ビジネス開発本部副部長に就任。2006年、これまでの編集経験から「人々の悩みを解決したい」との思いに至り、マイ・カウンセラーを設立。2007年ダイヤモンド社を退社し、メディアプロデュース業のメディア・ナレッジを創業すると共に、マイ・カウンセラーの代表取締役に就任する。
ご意見、ご感想は mc-info@mycounselor.jp まで。

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