Microsoftがプライベートクラウドに関するブログ「Dynamic Data Center Alliance Blog」を開設した。“プライベートクラウド”戦略について、Microsoftの動向を知りたいユーザーには、新しい情報源となりそうだ。
私はDynamic Data Center Alliance Blog開設というニュースを、他のブログ(充実しているMicrosoftのNexus System Centerブログ)経由で知ったのだが、これまでのところ、Microsoftの「Dynamic Data Center Toolkit for Hosters」を利用しているホスティングパートナー企業向けのDynamic Data Allianceのサイトにちょっと手を加えたような内容だ。
だが、同社のSystem Center向けシニア技術製品マネージャのJeff Wettlaufer氏は新しいブログを以下のように説明している。
皆さんこんにちは。プライベートコンピューティングチームの仲間とチャットしたところ、新しいチームブログを開設したことを知らせてほしいと頼まれました。このブログは、プライベートクラウドコンピューティングチームのパートナー企業、顧客、そしてMicrosoft社内のスタッフ向けのハブという位置づけであり、Dynamic Data Center Toolkits for Hosters&EnterprisesとDynamic Data Center Allianceが関連する発表を紹介する場でもあります。
Microsoftはまだ、プライベートクラウドについて包括的な戦略を打ち出していない。この分野ではこれまでのところ、「Windows Server」「Hyper-V」「Systems Center」、Dynamic Data Center Toolkitsの最新の強化を利用してプライベートクラウドのホスティング(これは私には、少なくともMicrosoftの世界においてはオンプレミスのデータセンターコンピューティングの域を出ないものに見える)を可能にすることを明らかにしている(Dynamic Data Center Toolkit for Enterprisesの正式版は、2010年の前半にリリース予定だ)。
Microsoftはウェブサイトにて、「The Microsoft Private Cloud」と題して上位レベルの説明を行っている。この説明によると、Microsoftのプライベートクラウドとは以下の機能を提供することになる。
- データセンターファブリックを単一のリソースプールとして管理する。
- 拡張性のあるアプリケーションとワークロードの配信。
- データセンターサービス管理と依存性へのフォーカス。
- 完全なクラウドにおけるサービスフェデレーション。
Microsoftのプライベートクラウドのウェブサイトは現在、多くの情報を提供しておらず、仮想化関連のウェブサイトに飛ぶようになっている。
一方で、ホスティングでは最大のライバルであるAmazonは、プライベートクラウド戦略を着々と進めているようだ。Amazonは、顧客が自社のプライベートVPNを使って「Amazon Web Service Elastic Compute Cloud(EC2)」インスタンスにアクセスできる「Amazon Virtual Private Cloud(VPC)」のベータ提供を開始している。プライベートクラウドにおけるAmazonのアプローチは、Microsoftのものとはかなり異なるように見える。
Microsoftは11月中旬に開催する「Professional Developers Conference(PDC)」で自社クラウドプラットフォーム「Azure」の正式版をローンチする計画であり、ここでプライベートクラウド分野の計画も明らかにするのではないかと期待している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ