外国人上司との「距離感」を考える--エリック松永の英語道場(33)

エリック松永

2009-09-25 08:00

 What's up man?

 暑い夏も終わり。暑さに弱い私としては大歓迎なはずなのですが少し寂しい感じがします。私は本当に暑さに弱く、夏になるとみるみる弱っていきます(苦笑)。夏の電車で一番いらいらするのが、電車がそんなに混んでいないのに誰かが近くに立っている時です。

 「Personal Space」という言葉をご存知でしょうか? 人は、「Imaginary Wall」(みえない壁のようなもの)を誰もが持っていて、その壁を越えられることにより不快になったり幸せを感じたりと、感情に大きな影響を与えるといいます。Imaginary Wallに守られた自分の領域がPersonal Spaceです。難しい学問の世界の話をするつもりはありませんが、Imaginary wallは誰しも日常のいたる所で感じるのではないでしょうか。

Sexy イラスト: まつなが みか

 一般には国籍が違うとPersonal Spaceが違うといわれています。しかし実際には、私の電車の話のように、暑さや気分なども影響してくるので、アメリカ人なら何センチまでならOK、アラブ人は何センチまでOKといった単純な話ではないのです。

 欧米の外資系に勤める日本人の女性社員は、特にこのPersonal Spaceに不快感を抱く方が多いのか、かなり頻繁に相談を受けます。悩みの理由は簡単です。「欧米人はこういうカルチャーだから仕方ない」と我慢して、自分のPersonal Spaceを侵害されても許してしまう傾向があるため不快なのです。日本人の上司であればうまく対処できる人でも、欧米人の上司だとどうしていいのかわからない、そして何も言えないという人が多いのです。

物理的な距離感と精神的な距離感

 ここでは2つのPersonal Spaceに問題があります。1つは物理的な距離感の問題。つまり、話すときに妙に近いといったような話です。もう1つは精神的なPersonal Spaceの問題で、業務の範囲を超えた個人的なアプローチがある場合です。例えば、特に用事もないのに上司から個人的に食事やバーに誘われる。こうしたケースでは、たとえ物理的なPersonal Spaceが保たれたとしても不快に思う人がいるでしょう。

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