みなさんこんにちは! マイ・カウンセラーの田代です。日本全国夏休みの時期ですね。もちろん仕事柄お休みが取れない方も数多くいらっしゃると思いますが、東京では町を走る車の台数が減り、一時的に空が透き通っているように感じます。また、電車に乗っても人が少なく気分がよいものです。私も東京に住むようになって満員電車にも慣れましたが、久しぶりに新聞を広げられる空間があると心にも余裕ができます。
普段の電車では、人と人が密着していて、音楽プレーヤーの操作のために手を動かすこともできないし、足も動かせません。電車が揺れても倒れないほど密着しています。それほどの密着状態で狭い空間に押し込められている状態というのは普通じゃないですよね。それを毎日毎日繰り返す……。仕方がないとはいえ、自分の意に反して他人と密着するわけですからストレスが積み重なっていくはずです。明確な被害があるわけではないけれど、なにかしら、毎日心に傷を付けているといえます。
歯車に見る「すき間」の大切さ
読者のみなさんの中にも職業柄関係がある方がいらっしゃるかもしれませんが、歯車を設計するときに考えなければならない要素のひとつに「バックラッシュ」というものがあります。歯車は、星形のギザギザが無数にありますね。しかし拡大してみると、ギザギザの先端はとがっていません。同じく、へこんだ端の部分もとがっておらず、丸くなっています。また、へこみと出っ張りは、ぴったり合うわけではなく、お互いがスムーズに入れ子になって動けるように微妙に空間があります。このすき間がないと歯車はうまく動かないのです。
歯車をガチガチにすき間なく組み合わせると、ギチギチとしてうまく動きません。例えそれを無理やり組み合わせて動かしたとしても、次第に角が取れ、その他の部分も削られて、結局バックラッシュができてしまいます。機械だからこそとも言えますが、人間だって同じことだと思います。親しい間柄、例え夫婦であっても同様です。知り合ったばかりで恋人同士の時は、それこそ「密着」したいほどの関係であっても、数年、数十年も一緒にいると、お互いの角が取れて少し距離があった方がスムーズな関係を保てることが多い気がします。
このように、人付き合いでも余裕の空間が必要です。人と人にはそれぞれの適切な距離があるのです。この距離があるのとないのとでは、相手にとっても自分にとっても付き合っていく心地よさが変わってきます。