独立行政法人情報処理推進機構(IPA)は10月14日、オープンソース情報データベース「OSS iPedia」において、Linuxカーネルバージョン間の互換性に関する情報を公開した。
オープンソースのOSであるLinuxのカーネルはコミュニティベースで開発が進められており、改良や更新が活発になされている。しかし、仕様の変更に関してはドキュメント化が十分でなく、変更点を把握するにはカーネル利用者が各自でソースコードを読む必要がある。このため、互換性の確認作業などに多くの工数がかかる場合がある。
そこでIPAでは、2006年度からLinuxカーネルバージョン間の互換性をテストするツールの開発を進めてきた。また、互換性チェックのためのテストプログラム作成にあたっては、北東アジアOSS推進フォーラムの共同開発プロジェクトとして、約300のシステムコールについて日本、中国、韓国で分担開発し、網羅性を高める取り組みをしてきたという。
IPAはこの自動互換性テストツールを使った結果を、OSS iPediaで公開している。対象としているカーネルにバージョンアップがあると、テストを自動的に実行し、互換性データを追加するという。また、異なるカーネル間のシステムコール動作の違いについても自動的に検出し、その情報を公開するとしている。