伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は10月28日、車両などの移動体資産を可視化して、管理業務を最適化する「モバイルアセットマネージメントサービス」(MAMS)を11月1日から試験サービスとして提供開始することを発表した。商用サービスの提供は2010年春からの予定。
業務用車両、物流トラック、建設機械などの資産を保有する企業向けに提供する。商用サービスとしては3年間で30億円の売上高を目指す。
MAMSは、CTCのクラウドサービス「Techno CUVIC」上で稼働するSaaS型サービス。車両管理に加えて、人材管理や業務最適化を実現するテレマティクスサービスになる。保有する全車両の稼働状況を把握、管理し、人材と業務の割り当て、運行ルート、労働時間を加味した業務量の割り当てなど、移動体資産の最適配置を可能にするとしている。
ユーザー企業は短時間で利用を開始でき、業務改善や環境対策についての意思決定を早期に実現できるとしている。MAMSを使用することで、たとえば、建設機械のメーカーやレンタル事業者は、遠隔地の建設機械の稼働状況を一元管理、故障診断、事故発生時の稼働状況を把握するなど、建設現場での管理業務の向上、稼働状況にあわせた需要予測などができるとしている。
MAMSの試験サービスでは、車両状況の地図表示といった基本機能を提供する「エントリー」、基本機能にリポート機能などを加えた「スタンダード」、スタンダードに運行計画などの高度な機能を利用できる「アドバンスト」という3つのメニューで構成されている。
すべてのメニューでサービス申し込みから車載器の取り付けまでをワンストップで提供する。業務可視化に必要なパラメータは、初期状態で設定されている。故障受け付けやアプリケーション操作のサポート、業務最適化のためのコンサルティングサービスもオプションで提供する。
CTCは4月から約6カ月間、複数の企業とともにパイロットプロジェクトを実施。数十台の物流トラックの運用を可視化することで、減車、二酸化炭素(CO2)削減、運行管理業務の軽減など一定の効果を確認したとしている。同社では、今回の試験サービスとあわせて、リソース最適化エンジンを利用した運行計画の自動策定や人材、車両の自動割り当て、カーシェアリング事業者の車両予約や料金決済などのサービス商用化に向けて検討していくとしている。