法人向けにネットワークサービスを提供するベライゾンビジネスは11月4日、仮想私設LANサービス(Virtual Private LAN Service:VPLS)の日本国内での提供を開始したことを発表した。
ベライゾンビジネスのVPLSは、イーサネットの簡易性とMPLS(Multi Protocol Label Switching)の柔軟性を組み合わせることで、企業は既存のLANから低コストに、高効率でWANのメリットを活用できるとしている。MPLSを使用した第2層の仮想私設網(VPN)として、同社のグローバル・プロビジョニング・イーサネットプラットフォームを通して提供され、複数拠点の接続が必要な企業にとって理想的なものとしている。VPLSはプロトコルに依存せずにIP系と非IP系の両方のアプリケーションをサポート、ユーザー企業はそれぞれのルーティングを管理することが可能になるという。
通信品質の保証や帯域確保などを実現するQoS(Quality of Service)技術の一種であるCoS(Class of Service)を通してアプリケーションの優先順位を決定できることから、統合されたネットワークにとって最適なプラットフォームだとしている。優先順位をカスタマイズして、ネットワーク全体でビジネスクリティカルなアプリケーションを最優先にすることができる。VoIPやビデオなど待ち時間が重要なトラフィックには理想的なサービスとしている。
またVPLSでは、ネットワークの帯域幅を1秒間に1Mbpsから1Gbps以上まで設定できることから、音声やデータのトラフィック効率とコスト効果が向上し、サービス品質保証(SLA)によって通信事業者クラスと同等のWANサービスを利用できるとしている。
VPLSはベライゾンビジネスが2007年から米国で展開しており、今回は日本も含めた31カ国にサービスエリアを拡大させている。日本国内では、KDDIやNTT ComがVPLSを展開しているが、ベライゾンビジネスは、「ベライゾンのVPLSは世界31カ国で展開すると同時に、メッシュ型ネットワーク上で冗長性の高い構成を取れるという点で優位性がある」と説明している。