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バズワードに動じない「JAポイントシステム」に見たクラウドコンピューティングの本質 - (page 3)

柴田克己(編集部)

2009-11-29 17:11

 各県システムと中央とのデータ連係を効率的に行うために定義されたのは、統一された明確なインターフェースだ。各県は、それぞれに管理している利用者総合データベースから、ポイント会員を振り分け、統一されたデータ形式に合わせて中央に送信する。そのための仕組みは、各県が個別に運用するスタイルをとっている。県内での仕組みは県で管轄し、中央とのやりとりのルールだけを規格化したわけだ。

 ハードウェア的には、NECにアウトソースした「POINT全国センター」のネットワークをIP-VPNで県と接続する形態をとった。末端のPOS端末、クレジット兼ポイント端末にはNTTドコモのFOMA網を利用。データを取り込むためのインターフェースを個別に用意した。また、顧客データをポイントカード(クレジットカード)の番号ベースで管理するため、CARDNETセンターやCCT端末管理会社である三菱UFJニコスと、中央のシステムをISDN網で接続し、相互に同期しながら運用を行っている。

システム構成図 JAポイントシステムの構成図(画像クリックで拡大表示)

 ポイントシステムにおける初期の機器構成は、導入より3カ年経過時点でのトランザクション増に耐えられることを想定している。1日あたりのリアルタイムトランザクションで70万件、1カ月あたりのバッチ処理件数で1500万件を処理できるように設計されているという。また、可用性については、99.9%の稼働率を目標としている。

 ところで、一般的に「クラウド」と合わせて語られることが多い「仮想化技術」については、現時点で、このJAポイントシステムにおいて重要な意味を持たない。理由のひとつは、グループ企業内で使われる特定業務向けのシステムにおいて、予測不能なほどにダイナミックな必要リソースの増減が発生しないという点だ。

 佐藤氏は、「仮想化は複数システムを1つの基盤上で稼働させる際には有効。しかし、(ダイナミックな利用者変動が少ない)企業内システムでは、迅速な構成変更を実現する技術としてのニーズは(少なくともJAグループにおいて)不明」とする。

 もっとも、JAポイントシステムでは、ITベンダー(NECのデータセンター)にアウトソースしているコンピューティング資源の詳細について、エンドユーザーである各県単位のEDP部門は知る必要がない。その点では、極めてクラウド的なシステム資源の利用法であるとも言える。

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