日立製作所は12月14日、中規模の仮想移動体通信事業者(MVNO)向けに回線登録や開通指示、加入契約者情報の管理、料金計算などを行う業務アプリケーションとフレームワークを搭載した「MVNO向けハード一体型All-In-Oneシステム基盤」を12月16日から販売することを発表した。価格は6300万円から。
今回の製品の対象は、加入者5万人程度のMVNOを想定している。提供されるのは、MVNO事業を行うのに必要なMVNE(Mobile Virtual Network Enabler)基盤のOSS(Operation Support System)やBSS(Business Support System)の汎用業務モジュールを、同社の統合サービスプラットフォーム「BladeSymphony」に搭載したもの。この製品を利用することで、MVNOはOSSやBSSの開発が不要となり、低コスト、短期間で事業をスタートすることができるという。
搭載されるモジュールは、回線登録や開通指示、通信利用データの集計などを行うOSSインターフェース基盤と、加入契約者情報の管理や販売代理店管理、料金計算、物流管理などを行うBSS基盤、MVNOの既設システムとの連携を可能にするESB基盤で構成される。日立が開発したOSS/BSSプロセス統合制御を行うイベント駆動型アーキテクチャを採用したフレームワークを搭載することで、加入契約者情報の管理など、通信事業に必要な業務処理プロセスを容易に追加、拡張できるという。
ハードウェアは、ブレードサーバ「BladeSymphony BS320」とストレージ「BR20」、スイッチ「AX3630S」を活用。運用管理ソフト「JP1」なども搭載されている。MVNOの加入者が増加した場合や新サービスを追加した場合でも、ブレードサーバを意識しない分散並列処理が可能なことから、ブレードサーバを追加することで、容易にシステムの処理能力を拡張できるとしている。