日立製作所は10月26日、通信事業者のネットワーク運用管理者や企業の情報システム部門向けに、GUIでVLANを可視化し、ネットワーク管理を効率化するためのソフトウェア「日立論理ネットワークオペレーティングシステム」を開発したと発表した。10月28日から販売を開始する。
同システムでは、L2スイッチから自動収集したMIB(Management Information Base)情報をもとに、マップ画面にネットワーク構成を表示する。物理的なネットワーク構成の上にVLAN構成や障害部位などの情報を重ね合わせて表示することで、ネットワーク運用管理者や情報システム部門がネットワークの状態を容易に把握できるという。これにより、障害による影響範囲の調査など、人手によるネットワーク状態確認の業務を効率化できるとしている。
リンクアグリゲーションやリングの冗長構成の状態も反映したVLAN構成を表示するため、実際にデータが転送される経路を確認することもできる。これによりL2スイッチの現在の状態を個別に確認する作業を効率化できる。
また、L2スイッチから収集したネットワーク情報は内部のRDBで管理され、関連する情報を検索することが可能なインターフェースを備える。リスト画面から任意のVLANを構成するL2スイッチを検索したり、リングに属するVLANを検索したりといったことが可能だ。
障害通知(SNMPトラップ)を受信した際には、その時点のネットワーク構成図を自動的に保存する。そのため、ネットワーク状態が次々と変化するような状況においてもその変化を視覚的に確認できる。また、構成変更のタイミングでネットワーク構成図をマップとして残しておくことで、設計図面のメンテナンスの効率化を図ることができます。
そのほか、ネットワーク機器に設定したVLAN情報が、接続されたL2スイッチの対向ポート間で整合がとれているかを自動でチェックする機能を持つ。これにより、初期設定を効率的に行うことができるという。
同システムは、日立が受託した総務省によるプロジェクト「ネットワークを通じた情報流出の検知及び漏出情報の自動流通停止のための技術開発」による研究成果を活用し、商品化したものという。
日立論理ネットワークオペレーティングシステムの価格は1050万円。稼働にあたっては、Red Hat Enterprise Linux 5.1(x86)が動作し、CPUにデュアルコアXeon E3110(3.00GHz)、メモリ4GB以上を搭載したハードウェアの利用を推奨している。