シマンテックは2月1日、データ保護ソリューションとして、中堅中小企業向けの「Backup Exec 2010」と大企業向けの「NetBackup 7」の2製品を同時に発表した。2009年11月に発表した専任IT管理者不在の小規模企業向け製品「Backup Exec System Recovery 2010」にこの2つのラインアップを加えたことで、「あらゆる規模のシステムに向けて最適なインフォメーションマネジメント(情報管理)ソリューションが提供できる」と、シマンテック 執行役員 マーケティング本部長の石崎健一郎氏は述べている。
石崎氏は、これらの製品が求められている市場の背景として、「ITの負荷やデータの容量は年率200%〜300%という勢いで伸びているにもかかわらず、IT管理者の数やITにかける予算は横ばい状態だ。つまり、いかにバックアップを効率的に、短時間で行うかが大きな課題となっている。また、メールやウェブが少しの間ダウンするだけで問題視されるようになった今、バックアップを怠っていると障害復旧にかかる時間も大きくなってしまう。さらに、仮想化の普及が進む中で、仮想化システムのバックアップも必要になっている」と説明、「これらの課題にすべて対応するのがシマンテックの戦略だ」とした。
中堅中小企業向けのBackup Exec 2010では、新しいアーカイビングオプションが提供される。データソースから個別にデータを引き出すのではなく、バックアップコピーからデータをアーカイビングするもので、WindowsファイルシステムとMicrosoft Exchange環境において統合的なバックアップおよびアーカイビングを実施する。このアーカイビングオプションは、サーバ上で冗長なデータを削除し、ストレージのスペースを解放してストレージ量を予測可能な範囲に抑制、バックアップの時間を削減する。
またBackup Exec 2010は、仮想化されたMicrosoftアプリケーションにおいて、シングルパスのバックアップから「Granular Recovery」(きめ細やかなリカバリ)ができるという。この独自の技術により、VMware vSphere 4.0、VMware ESX、Microsoft Hyper-V R2などの仮想環境において、Microsoft ExchangeやSQL、Active Directoryのリカバリが数十秒で行えるとのことだ。
一方、大企業向けのNetBackup 7は、Hyper-VとVMwareのバックアップが標準化され、重複排除とブロックレベルの増分バックアップ技術による仮想環境でのバックアップが高速化された。また、個別ファイルリカバリ機能も実装されている。
NetBackup 7のプラットフォーム内には、新たにレプリケーション技術が統合されている。これにより、ロケーション間で転送されるデータ量を最大95%削減できるという。また、NetBackup 7ではバックアップおよびリカバリのオペレーションにて単一のビューを提供するため、「OpsCenter」という新しいレポート管理コンソールが導入された。OpsCenter Analyticsの分析機能を利用すれば、サードパーティー製バックアップ製品のレポートも作成できるという。
各製品の価格は、Backup Exec 2010の基本ライセンスが1サーバあたり14万6500円、NetBackup 7の参考ライセンス価格が62万円より。NetBackup 7は2月1日から提供を開始しており、Backup Exec 2010は2月15日から提供される予定だ。