マイクロソフトは2月10日、自治体などパブリックセクタービジネスにおけるこれまでの成果について説明会を開催した。同社では、2009年1月に地方自治体を対象とした「地域活性化協働プログラム」を発表、地域の課題にあわせてITが活用できるよう支援している。
地域活性化協働プログラムでは、各地域においてITが活用できる人材の育成やITベンチャーの支援を、地域ごとに1年という限定期間を設けて行っている。マイクロソフトとしては、「ITを活用することで、さまざまなことができると訴えていきたい。そのために自治体と連携して地域活性化に取り組むが、支援期間終了後もITの活用が持続可能な体制を構築してもらいたい」(マイクロソフト 執行役常務 パブリックセクター担当 大井川和彦氏)としており、期間終了後はマイクロソフトに頼らずとも地域が自立してITの活用ができるよう、1年かけて体制作りを支援する方針だ。
同プログラムの下、マイクロソフトではすでに高知県、佐賀県、鳥取県、徳島県の4県にて支援活動を行っている。例えば佐賀県では、高齢者向けのIT活用セミナーを行い、500名以上の参加があった。また、今後も継続してセミナーが開催できるよう、ITの使い方を教える講師も約40名養成した。
鳥取県でも同様に高齢者向けの支援を行っている。講師がいなくてPC講座が開催できないという課題に対し、2009年3月に初心者向け講習を行い、5月には講師育成講座を開催した。その後7月からはPC勉強会を毎月開始し、2010年3月には鳥取県内の一般高齢者向け講座の講師がデビューする予定だという。
高知県では、ITベンチャー企業の支援策として、世界を舞台にしたビジネス展開を視野に入れるよう米国研修に参加してもらうことや、地域の情報をITで発信できるよう、IT講座の講師を育成するNPOの支援も行っている。
大井川氏は、「2010年春から2011年の春にかけても、人材育成に積極的で、ITを活用して地域の課題を解決しようとする自治体や、民間との連携で変革を加速しようとする自治体などと連携していく」と話す。この方針に基づき、マイクロソフトは2010年6月末までに新たに3つの自治体との覚書を締結する予定だという。