野村総合研究所(NRI)は2月22日、サーバ10台までの中小規模システム向けに障害時の初期対応を自動化してサーバ管理コストを削減するシステム管理ツール「Senju Children 10」の販売を開始したことを発表した。
Children 10は、「Senju Family」のシステム運用管理ツール「Senju Operation Conductor」をベースに中小規模システムの運用自動化に最適な機能をパッケージ化した製品。サーバ10台までをエージェントレスで監視する。既存のシステムに手を加えることなく、短期間に低コストでの導入が可能としている。
「ランブック・オートメーション」と呼ばれる機能を搭載することで、各サーバから検知した障害メッセージが自動的に切り分けられるようになっている。切り分けた結果に対応して、事前に用意していた回避策やログ採取、メールによる報告などの初動を無人で実行可能になっている。ランブック・オートメーションは、Operation Conductorの最新版にも搭載されている。
Children 10の税別価格は、サーバ10台分のエージェントレス監視ライセンス、ランブック・オートメーションのマネージャライセンスに5年間の保守サービスを含めて30万円となっている。
営業拠点や生産拠点などに存在する中小規模のシステムであっても、安定稼働は求められる。サーバ10台程度のシステムの場合、サーバを監視していない、監視していてもシステム障害のアラートに対応できる要員がいないという状況があり、障害原因の切り分けや本社管理部門からのリモート対応など、初動に時間やコストが多く費やされるケースがよくあるといわれる。障害時の初動の遅れは、大きなシステム障害につながる危険性もはらんでいるとも指摘される。
またシステムの運用コスト削減に対する意識が高まるにつれて、運用現場での作業効率化が改めて見直されるようになっている。だが、運用を自動化するためには、高価な統合運用管理ツールを導入する必要があり、中小規模システムの場合、現実的ではないといわれていた。今回のChildren 10は、そうした課題を解決するものとして開発されている。