日立製作所のソフトウェア事業部(日立)は2月25日、「今こそ見せよう 日本の現場力」をテーマとしたイベント「Cosminexus Day」を都内で開催。AP基盤マーケティング部 部長の尾花学氏は、「ビジネス戦略とIT戦略の一本化へ向けて」と題した講演で、2010年1月に発表されたSOAプラットフォーム「Cosminexus V8.5」の新機能やクラウドコンピューティングの実現に向けた日立の取り組みを紹介した。
経済状況の変化やパンデミック、法改正、規制緩和・自由化、グローバル化、環境配慮、業界再編など、日々変化するビジネス環境の中で、企業が継続的に成長するためには、変化に即応したビジネス戦略の実行が必要であり、ビジネス戦略を効果的に実行するためにはITの活用が不可欠となる。
2009年に「優先事項の変化と共にCIOはITプロバイダーに何を求めるか」を調査したGartnerのレポートでも、「ビジネス戦略とIT戦略の一本化を促進する」ことが第1位となっており、ITコストの削減が2位、ビジネスの成長を支援するプロジェクトの実行が3位と報告されている。
Fast&Reliableを実現するCosminexus V8.5
変化に即応するためには、全社的なIT化の取り組みが必要となる。たとえば運用部門では、リソースの最適化とシステムの安定稼働が、開発部門では資産を有効活用し、効率的に新サービスをリリースできることが求められる。また業務部門では、価値ある現場のデータを活用し、業務を改善することが必要となる。
このような各部門が求めるIT環境を実現するためには、確実かつ柔軟に実行できる基盤、すばやいシステム構築、サービスの品質向上が必要。尾花氏は「Cosminexus V8.5では、Fast&Reliableというキーメッセージにより、質の高いサービスを“すばやく”“確実”に展開し、企業が持続的に成長、発展することを支援する」と話す。
リソースの最適化とシステムの安定稼働を実現したいという運用部門の課題を解決する機能としてCosminexus V8.5は、業務単位でシンプルな構築・運用が可能な仮想化機能とフルガベージコレクションが発生しない安定稼働を実現。確実かつ柔軟に実行できる基盤を提供する。
また効率的に新サービスをリリースするために既存の資産を有効活用したいという開発部門の課題を解決する機能としてCosminexus V8.5では、SOAをベースとしたESBによるソフトウェア資産の組み合わせ機能と、OpenTP1で稼働するレガシーシステムを生かすソフトウェア資産の再利用により、すばやいシステム構築を可能にする。
さらに業務を改善するために価値ある現場のデータを活用したいという業務部門の課題を解決するために、リアルタイムにデータを分析、モニタリングできる「ストリームデータ処理技術」を活用することで、サービス品質の向上を実現する。