NECは4月9日、温度・湿度・衝撃センサ付きRFIDタグを用いた「物流品質トレーサビリティソリューション」について、SaaS型での提供を4月より開始すると発表した。
物流品質トレーサビリティソリューションでは、センサ付きRFIDタグを流通する商材に取り付け、生産拠点、倉庫から物流拠点、最終的に顧客へ納入するまでの流通過程を管理する。一定間隔での温度、湿度情報と、衝撃発生時の情報を収集することにより、輸送過程の「見える化」を実現し、安心安全な物流に貢献するという。
今回発表された「物流品質トレーサビリティ for SaaS」は、同ソリューション事業でNECが長年にわたたって蓄積したノウハウをもとに、ITAGE(アイテージ)と共同で商品開発を行ったもの。インターネットに接続できる環境からアクセスするだけで、流通過程での温度、湿度、衝撃の記録データをいつでも保管、参照、取り出し、分析、レポートでき、自社でシステム構築するよりも短納期で安価にシステムを導入できるという。
また、担当者の運用負荷を軽減するため、「センサタグへの記録条件・異常検出条件等の設定」「記録データの異常検出時の高速判定と通知」「グラフィカルな分析レポート」「センサタグ内の記録データのアップロード、ダウンロード、保管、検索」「複数の部門による情報共有」といった機能をGUIベースで容易に行えるとしている。
同ソリューションは、FeliCa通信モジュール対応のため、専用のリーダ、ライタではなくPaSoRiやFeliCaポートでの読み取りが可能で汎用性の高いサービスを実現しているという。今後は、おサイフケータイを利用した現場向けのサービスについても対応する予定という。
物流品質トレーサビリティ for SaaSの提供価格は、初期登録費用が15万円、月額サービス利用料が2万円から(センサタグ管理対象10個あたり)、サービス利用とタグ貸出(10個から)のセットが月額3万2000円(いずれも税別)からとなっている。
NECでは、同ソリューションを、食品、医薬品、流通・サービス、製造、農業といった業界に提案し、今後3年間で、200ユーザーへの導入を目指すという。