NECは11月4日、イーラボ・エクスペリエンスの製品と連携した農業向けの新ソリューションを発表した。農業のICT化支援を検討する通信事業者が対象で、11月から出荷を開始する予定。価格は個別見積もりとなる。
新ソリューションは、NECの通信事業者向けサービス基盤「NC7000シリーズ」と、イーラボ・エクスペリエンスの簡易計測機器システム「フィールドサーバ」を組み合わせて提供される。センサーによって農園の温度、湿度、日照時間、作物の生育状況などをリアルタイムに監視し、収集したデータを一元管理、分析することで、農業の生産性向上や収穫量、品質の安定化を支援する。
イーラボ・エクスペリエンスは、センサーネットワーク応用システムの設計、製造、コンサルティングに強みを持つ企業。新ソリューションは、カメラや各種センサーを活用して情報を収集する。
農園にはイーラボ・エクスペリエンスのカメラとセンサー、通信装置を一体にしたフィールドサーバを設置。搭載カメラは360度回転、22倍ズームで撮影が可能で、ネットワーク経由で農園の状況を監視することができるという。また、各種センサーが温度、湿度、日照時間などをリアルタイムに監視する。
フィールドサーバからネットワークを通じて送られるデータは、NECのNC7000シリーズで蓄積、管理される。これにより、営農記録、育成環境の把握を支援する。また、これらのデータと、データベース化した農業ノウハウのマッチング機能によって、収穫適期や施肥、防除のタイミング、品質の予測が可能になるという。加えて認証機能も提供されるため、さまざまな情報から必要な情報だけを、生産者、流通管理者、消費者などに分けて公開することが可能だ。
NECでは農業の生産性向上、生産工程の見える化、リアルタイムでの監視を通じて、トレーサビリティの向上を実現する通信事業者の農業ICTサービスを実現するとしている。