プライベートクラウド環境の構築で注意すべき項目10選 - (page 3)

文:Jack Wallen(Special to TechRepublic) 翻訳校正:村上雅章・野崎裕子

2010-03-23 07:00

#8:セキュリティに対してさらなる考慮が必要となる

 クラウド環境をセキュアなものにするにはどうすればよいのだろうか?あなたは、現在の社内LANをセキュアなものにするために、どれだけの時間をかけただろうか?そして今、あなたはシステムをさらに複雑なものにすることを検討している。自社のデータをファイアウォールの外側にあるクライアントに引き渡すということは、何を意味しているのだろうか?在宅勤務者にテレワークを続けさせる覚悟はあるのだろうか?おそらく難しいだろう。そして無理という判断を下した場合、大きな反発を招くことになるはずだ。

#9:環境に優しくない

 クラウド環境を構成するサーバの実態を、あなたは分かっているだろうか?こういったサーバは、1970年代に流行したダサいヘアスタイルの男が運転する古いポンティアック・トランザムに匹敵するものではないだろうか?つまり、大量の燃料(電力)を消費し、エンジンの回転数を落とすことができない(24時間稼働が必要となる)オモチャというわけである。今のところ、クラウドは環境に優しいものとはなっていない。多くの企業がエコへの取り組みを推進している現代において、クラウドを利用するということは、白熱電球の使用と同じくらい無責任な行動と言うこともできる。

#10:プラットフォーム不可知論は成立しない

 筆者がEucalyptusを用いて構築したプライベートクラウド環境では、Linuxが稼働している。Windowsを稼働させたいのであれば、Windowsのクラウドシステムを採用していただろう。クラウド環境を構築する場合、たいていは単一のプラットフォームを選択せざるを得なくなる。WindowsやMac OS、Linuxが混在している世の中にあって、単一のプラットフォームをサポートするだけでは間に合わない。実際のところは、ほとんどの中小企業ではWindowsが導入、展開されているため、そういった企業ではWindowsのクラウドシステムを採用することになるだろう(つまり、多額の投資が必要になるということだ)。とは言うものの、1種類のOSしか導入、展開されていない環境なのであれば、クラウドは最適な選択肢とは言えないかもしれない。

その他の問題は?

 あなたは本記事を読んで、プライベートクラウド環境の構築に躊躇を覚えただろうか?それとも、自らの経験によって、これらの懸念を払拭できると言い切れるだろうか?あなたの意見を聞かせてもらいたい。クラウドはコンピューティングにおける未来の姿なのかもしれない。もしそうなのであれば、これらの懸念は解消しておく必要があるはずだ。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。原文へ

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