アイ・ティ・アール(ITR)は、国内コラボレーション市場規模および市場動向を調査したレポート「ITR Market View:コラボレーション市場2010」をまとめた。同レポートは、グループウェア、ワークフロー、ウェブ会議、テレビ会議の4つの製品分野を対象に調査を行っており、ソフトウェアベンダー国内39社の製品について網羅している。
ITRでは3月31日、同レポートの中から、国内ワークフロー市場の調査結果について公開した。それによると、国内ワークフロー市場の2008年度の出荷金額は約27億円であり、前年比6.6%減となっている。市場縮小の主要因としては、景気低迷によるIT投資の削減によるものと見ている。また、2009年度も市場規模は回復せず、同1.1%減になると予想している。
2008年度のベンダーシェアについては、NTTデータイントラマートが機能の豊富さ、拡張性の高さから市場をけん引しており、トップを維持している。小差での2位には、用途別に特化したワークフロー製品を提供している富士電機システムズ。3位には堅調に出荷金額を伸ばしたエイトレッドが続いている。
ITRのシニア・アナリストである三浦竜樹氏は、市場における大きな3つの動きとして、「既存独自開発のワークフロー機能の、簡易なウェブ型ワークフロー製品またはインフラ系製品のアドオンへの移行」「内部統制強化機能を備えたワークフロー製品への注目度の上昇」「ベンダーのASP、SaaS提供」を挙げている。同氏は、これまでほぼパッケージ製品のみの同市場において、今後ASP、SaaSモデルが進展すれば、利用企業の裾野が拡大していくだろうとコメントしている。