日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は4月5日、iSCSI仮想化ストレージ新製品「HP StorageWorks P4000 G2 SANソリューション」(P4000 G2 SAN)を発表した。同日より提供を開始する。
日本HP エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 ストレージワークス事業本部 事業本部長の富岡徹郎氏によると、P4000 G2 SANはHPのインフラストラクチャ戦略である「Converged Infrastructure」に基づいているという。Converged Infrastructureとは、既存のシステムを標準化し、運用コストを削減するための統合化されたシンプルな基盤のことだ。このConverged Infrastructureの中でストレージの戦略となるのが、コスト削減と戦略的IT投資を両立させる「HP Unified Storage」という戦略だが、「ここで特に重要となるのがバーチャルリソースプールだ。つまり、ストレージリソースをプール化し、共有することで、ストレージの使用効率を最大化し、データ量の増加による影響を抑えてデータの移動とリカバリ機能の強化につなげる」と富岡氏は説明、P4000 G2 SANが仮想化ストレージとしてConverged Infrastructure戦略を支える機軸のストレージだとした。
P4000 G2 SANは、HPが2008年10月に買収を発表したLeftHand Networksの製品で、これまでは「HP LeftHand P4000 SANソリューション」として提供していた。今回発表したモデルより名称をStorageWorksブランドに変更し、「機能拡張と容量効率を向上させる一方で、価格は従来製品より下げた」と、日本HP エンタープライズストレージ・サーバー・ネットワーク事業統括 ストレージワークス事業本部 製品マーケティング本部 担当マネージャの宮坂美樹氏は説明する。
P4000 G2 SANは、HP独自の技術である筐体レベルで冗長構成が可能なネットワークRAID機能に加え、新たにパリティを使った筐体冗長機能であるネットワークRAID5およびネットワークRAID6機能が追加された。これにより、電源トラブルなどによる筐体障害時でもボリュームへのアクセスが継続でき、システムを停止せずにファームウェアをアップデートできるという。
管理ソフトウェアの新たな機能としては、P4000 G2 SANの構成を常にチェックし、ベストプラクティス構成と比較した場合の問題点や改善点を表示する機能が追加される。また、Windows環境でアプリケーションと連携した整合性のあるスナップショットが作成できるようになる。
P4000 G2 SANのハードウェアプラットフォームには、クアッドコアの「インテル Xeon 5520」が搭載されているほか、HDDはすべて6Gbpsの転送速度に対応している。また、従来機種で同等のラインアップの製品と価格を比較した場合、テラバイト単位の価格が平均40%低価格になっているという。
P4000 G2 SANの価格は、P4300シリーズの「HP StorageWorks P4300 G2 7.2TB SAS Starter SAN Solution」が388万5000円、「HP StorageWorks P4300 G2 16TB MDL SAS Starter SAN Solution」が346万5000円、P4500シリーズの「HP StorageWorks P4500 G2 10.8TB SAS Virtualization SAN Solution」が598万5000円、「HP StorageWorks P4500 G2 21.6TB SAS Multi-site SAN Solution」が1155万円。これらが2ノードのベースモデルとなり、拡張モデルとしてシングルノードの「HP StorageWorks P4300 G2 3.6TB SAS Storage System」(231万円)、「HP StorageWorks P4500 G2 5.4TB SAS Storage System」(323万4000円)などが用意されている。
日本HPでは、中堅中小企業に向けてP4000 G2 SANの販売を強化するために、パートナー向けの支援プログラム「HP StorageWorks P4000 SANパートナープログラム」を開始する。日本HPの販売特約店もしくは販売店を対象として、営業向け販売スキルアップトレーニングやエンジニア向け技術スキルアップトレーニングなどを提供するとしている。