インターネットイニシアティブ(IIJ)は5月14日、2月から実証実験を行ってきたコンテナ型のモジュールによるデータセンターの商用化を決定し、6月から新たなデータセンターの建設に着手することを発表した。
IIJでは、国内初の外気冷却方式を採用したコンテナユニットによるデータセンターの実用性について2月から実証実験を行ってきた。その実験結果として、無停電電源装置(UPS)や配電盤などの消費電力を含まないエネルギー効率指標である「Partial PUE」が1.1以下という実測値となっている。通年でも目標の電力利用効率(Power Usage Effectiveness:PUE)を1.2まで高められると判断し、商用化を決定したとしている。現在の一般的なデータセンターのPUEは2程度とされている。
同データセンターは、自社のクラウドサービス「IIJ GIO」の設備として活用し、サービス需要に応じて段階的に増設する予定だという。最終的な規模としては、最大20モジュール(サーバ5000台規模)となる見込みだ。
今回の投資計画では、まず第1期分として、5モジュール(サーバ1600台規模)を建設し、2011年2月に稼動を開始する。建設コストは約11億円。2011年度以降は、需要に応じて最適な規模の設備を順次増設し、クラウドの特性であるスケールアウトに迅速に適応できる次世代のデータセンターとして、地域の自治体や電力会社グループとの関係を強化しながら、全国の複数拠点に展開していくことも検討しているという。
IIJでは、同データセンターの利用でIIJ GIOの現状の設備コストを4割削減でき、サービスの価格競争力を一層高められるとみている。同時に、従来型データセンターに比べCO2の年間排出量を約4000トン削減できると試算しているという。