NECは5月17日、データセンター向けに省電力化と省スペース化を実現した新モデル「Express5800/E110b-M」の販売を開始したことを発表した。
Express5800/E110b-Mは、「インテル Atom プロセッサー N450」を搭載して同社従来比で最大70%と消費電力を削減しているという。新たに開発した共有電源ユニット「EcoPowerGateway」で高さ1Uの筐体に米EPRIが認定する「80 PLUS Gold認定」を取得した変換効率92%という電源を最大4台搭載し、冗長構成に標準で対応するという。複数サーバから電源を共有することで電力損失を抑え、個々のサーバに電源を搭載する場合と比較して、約10%の省電力化を実現するとしている。
収容効率では、高密度実装技術で従来比70%の省スペース化を実現。高さ3Uのエンクロージャに最大20サーバを搭載でき、1ラックに最大240サーバを搭載するという。一般的なデータセンターの床耐荷重の環境下で1Uラックあたり従来比2倍の160サーバを搭載でき、通常サーバの稼動可能環境温度より5℃高い40℃という高温環境下でも対応しているため、データセンターの空調コストにも配慮した製品だとしている。
リモートでサーバの監視と制御ができる「EXPRESSSCOPEエンジン2」を標準で搭載している。遠隔地からCPUやメモリ、ファンなどの監視や電源制御、サーバ操作が可能となり、データセンターでの容易な運用管理を実現しているという。また、OSの種類や電源のオンオフに関係なく利用できるという。税別価格は、Express5800/E110b-Mが6万3000円から、EcoPowerGatewayが24万円から。両製品とも6月21日から出荷する。
またNECは同日、性能と拡張性を強化した省電力1wayラックサーバ「Express5800/E110b-1」、仮想化対応を強化した2wayモジュラーサーバ「Express5800/E120b-M」を発表している。Express5800/E110b-1の税別価格は8万9000円から、出荷開始は5月17日。Express5800/E120b-Mは税別価格39万5000円から、出荷開始は6月30日となる。
今回の新製品発表を機に、データセンター向けに省電力を追求した1Uサーバ「Express5800/iモデル」と、ラック単位に電力の最適化を図る「同/ECO CENTER」を「Express5800/ECO CENTERシリーズ」として統合し、継続強化していくという。