「ビジネス部門向けツールとIT部門向けツールの統合を進める」--IDS Scheer幹部 - (page 2)

藤本京子(編集部)

2010-06-09 15:14

 インテグレーションを進めているのは3つの分野だ。まず1点目は、純粋にビジネスの視点のみで作られたビジネスモデルを、実際に実行可能な形に落とし込んでいくというもの。「企業にはビジネス担当者とIT担当者が存在し、この2部門でのコミュニケーションがなかなかうまくいかない。ビジネス側はARISを使ってコスト削減やコンプライアンス、プロセスの品質向上、効率化などに取り組んでいる。一方のIT側は、webMethodsでアプリケーション統合やSOA、プロセスおよびワークフローの自動化などに取り組んでいる。この2部門の橋渡しが必要となるため、ARISとwebMethodsのインテグレーションを進めている」とJost氏。

 2点目は、Software AGのデータベース管理システム「Adabas」およびその開発言語「Natural」と、プロセスインテリジェンスの統合だ。Adabasにはすでにネットワーク障害をモニターできる機能が備わっているが、「ビジネス視点からも問題点などをモニターできるよう、プロセスパフォーマンス管理のコンポーネントを提供する」とJost氏。具体的には、日々のビジネスにおける活動やデータをAdabasから抽出し、パフォーマンス診断やボトルネックの発見などができるような機能が登場する予定だ。

 3点目は、webMethodsとプロセスインテリジェンスの統合だ。Jost氏は、これによってwebMethodsにはプロセス実行機能やビジネスアクティビティモニター機能が加わり、ARISには自動発見機能やプロセスパフォーマンス測定機能などが加わると説明した。ARISにおいては、「他ベンダーの製品もサポートする独立したプラットフォームであり続けるが、同時にwebMethodsとはより深いインテグレーションができるようになる」としている。

個別製品のイノベーションも

 製品のインテグレーションについて語ったJost氏だが、「ARIS、webMethods共に、それぞれ個別のイノベーションも続ける」と話す。

 ARISでは、無償のBPMツール「ARIS Express 1.0」を2009年9月にリリースして以来、バージョンアップも進みこの5月にはバージョン2.1もリリースした。また、ビジネスプロセスとワークフロー記述のためのモデル言語「BPMN(Business Process Modeling Notation)2.0」への対応も発表している。ほかにも最近リリースされたものとして、情報エンジンの「ARIS MashZone」やプロセスデータのサーチエンジン「ARIS Rocket Search」などがある。一方のwebMethodsは、ルールエンジンやイベントエンジンなどが登場する予定だ。また、より使いやすい製品になるよう改善を加えているとした。

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