サイベースは6月14日、財団法人聖路加国際病院がサイベースのDWH用データベース「Sybase IQ」を活用してデータ分析用システムを構築し、2010年4月より実稼働を開始したと発表した。
聖路加国際病院では、2009年12月にSybase IQの採用を決定しており、2010年4月に同製品をコアとしたデータ活用基盤が「二次利用データベース」(既存のデータ分析用システム)と並行運用する形で稼働を開始したという。
これまで、研究用資料として使用する分析データの抽出や加工は、医療情報センターが医師などから依頼を受け、この二次利用データベースを活用して対応していた。しかし、2003年に導入を開始し約7年間が経過した二次利用データベースは、蓄積データ量が膨大になっていたことに加え、ベースとなるRDBMSの性能制限により、データを抽出して加工するまでに、最大で14日かかるようケースも発生していたという。そのため、パフォーマンスの改善が急務となっていた。
聖路加国際病院がSybase IQを利用して構築した新システムでは、従来30分かかっていた抽出処理が1分以下で完了するようになるなど、劇的なパフォーマンス改善を見せているという。また、抽出時間の短縮により、抽出用端末の占有を排除できるようになったほか、データ圧縮機能により全データの格納が可能になったこと、そして長期間を選択範囲としたデータ抽出が容易になったことなどの効果も表れているとしている。
サイベースは、聖路加国際病院におけるSybase IQの導入実績をもとに、電子カルテを中心とした診療データの蓄積、分析利用事例を他の医療施設等にも展開していく計画という。