iOSの意外な側面は「旧機種でも使える」こと
しかし、実は一番の衝撃は、iOS 4がiPhone 3GSでもサクサク動くことではないだろうか。iOS 4ではマルチタスク機能をはじめ、その他の多くの機能が追加された。
筆者は、3GでiPhone OS 3.0へアップグレードした時に経験したノロノロした状況を、iOS 4でも経験すると思い込んでいた。しかし、アップグレードすると、iPhone 4などいらない……そう思うほど動作が快適だった。
特にBluetoothキーボードを使ってのiPhone 3GSが快適で、この原稿もiPhoneで書いた初めての原稿となった。
企業で利用してもらいたいのであれば、OSアップグレードの度に端末の買い替えを求めてはならない。iOS 4は、ビジネスに必要な機能が旧機種でも快適に動くことを証明したのだ。
アップルの企業ソリューションは注目に値するのでは?
最後に一言。iPhone 4は、3GSにiOS 4をインストールした後でも衝撃を覚えるほどの完成度であった。ディスプレイの解像度が変わるだけで、同じ画面でもこれほど受け取る情報量が違うのかと、大いに驚かされた。
これほど完成度の高いデザインを連発できるAppleの底力には、感動すら覚える。
しかし、忘れてはいけないことがある。それは、派手な面だけではなく、ユーザーのニーズに着実に応え進化していく姿勢だ。企業向け端末の先入観に囚われるのではなく、より企業サイドに立った視点で機能を充実させていくこと――Appleが生み出す企業ソリューションは、注目するのに値するのではないだろうか?
Peace out,
Eric Matsunaga

筆者紹介
エリック松永(Eric Matsunaga)
Berklee College of Music、青山学院大学大学院国際政治経済学研究科(修士)卒業。19世紀の米国二大発明家Graham Bellを起源に持つ米国最大の通信会社AT&Tにて、先進的なネットワークコンサルティングの領域を開拓。その後アクセンチュアにて、通信分野を柱に、エンターテインメントと通信を活用した新事業のコンサルティングをグローバルレベルで展開する。現在、通信業界を対象にした経営コンサルタントとして活躍中。著書に「クラウドコンピューティングの幻想」(技術評論社)がある。TwitterのIDは @EricMatsunaga。