XenClientとは何か?

田中俊光

2010-07-21 17:47

 Citrix Systemsが5月12日、Synergy 2010カンファレンスにおいてクライアント向け仮想化ソフト「XenClient」を発表した。「クライアント仮想化」とはいかなるものなのか――本連載では4回に渡り、XenClientの導入手順や機能について説明していく。

XenClientの画面。ゲストOSとしてWindows 7とWindows XPを同時に起動しており、簡単に切り替え可能だ※クリックで拡大画像を表示 XenClientの画面。ゲストOSとしてWindows 7とWindows XPを同時に起動しており、簡単に切り替え可能だ※クリックで拡大画像を表示

「ホスト型」と「ベアメタル型」

 ひとくちに「仮想化」と言ってもさまざまな手法が存在するが、その中で「仮想的なPCハードウェアを構築し、1台のハードウェアで複数のOSを動かす」方式の仮想化ソフトは「ホスト型(Type-2 ハイパーバイザー)」と「ベアメタル型(Type-1 ハイパーバイザー)」の2つに大別される。

「ホスト型」と「ベアメタル型」仮想化ソフトの違い。仮想化のオーバーヘッドの少ないベアメタル型の仮想化ソフトは性能の低下が少なく、安定性、セキュリティの面でホスト型よりも有利だと言える※クリックで拡大画像を表示 「ホスト型」と「ベアメタル型」仮想化ソフトの違い。仮想化のオーバーヘッドの少ないベアメタル型の仮想化ソフトは性能の低下が少なく、安定性、セキュリティの面でホスト型よりも有利だと言える※クリックで拡大画像を表示

 ホスト型の仮想化ソフトはホストOS上のアプリケーションとして仮想化ソフトを動かすもので、MicrosoftのVirtual PCやVMwareのVMware Workstationなどの製品がこの方式を採用している。Windows 7のXPモードのように「ホストOSをメインの作業に使いつつ、ゲストOSを補助に使う」といった運用に向いているが、ホストOSにかかる負荷が大きい、ホストOSがクラッシュするとゲストOSも停止してしまうなど、パフォーマンスや安定性の面で不利な点がある。

 一方、ベアメタル型は仮想化ソフトがハードウェア上で直接動作するもので、単に「ハイパーバイザー」と呼ぶ場合はこちらを指すことが多い。ホストOSが不要なためにパフォーマンスやセキュリティなどの面で有利とされ、主にCitrix SystemsのXenServer、MicrosoftのHyper-V、VMwareのVMware ESXといったサーバ向けの仮想化ソフトで採用されている。

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