ほとんどの人は、自らが使用しているOSに何らかの不満を抱いているはずだ。本記事では、筆者をいらつかせている不満について解説している(なお、Linuxに対しても容赦なく斬り込んでいる)。
筆者の記事を読んだことのある方であれば、筆者が特定のオープンソースOSの熱心な擁護者であるということをご存じのはずだ。それでは、筆者はそういったOS(Linux)が完璧だと考えているのだろうか?そんなことはまったくない。実際のところ、筆者は現在利用可能となっているすべてのOSに対して不満を抱いていると言ってもよいだろう。そこで本記事では公平を期して、筆者が現在利用しているOSに対して抱いている不満を列挙することにした。なお、以下に挙げている不満には、サードパーティー製のソフトウェアに関するものは含まれておらず、OSに関するものだけとなっている。そうすることで、出来る限り公正を期すようにしているわけだ。
#1:Windowsにおける秘密主義
Windowsで筆者が最も気に入らない点は、すべてが隠されているというところにある。何か動作がおかしいって?どこから調べればよいのだろうか?Windowsのサーバ製品を使用しているのであれば、さまざまな警告通知を調べてみることができる。しかし、そこまでで終わりだ。それで分からなかったとしても、Windowsは問題が起こった理由を教えてくれはしない。Windows 7の場合、「アクションセンター」という機能が提供されてはいるものの、それがどれほど役に立つというのだろうか?なぜ、一般的なテキストベースのログファイルを提供し、発生したイベントすべてをテキストリーダでチェックさせてくれないのだろうか?Linux/UNIXではこういったことが可能となっている。Mac OS Xでも可能だ。なぜWindowsではできないのだろうか?筆者は、隠し事をするOSが嫌いである。起こっていることや、起こったこと、そしてちゃんと動作しない理由について知りたいというわけだ。
#2:Mac OS Xにおける柔軟性のなさ
筆者はその昔、Windowsのことを柔軟性のないOSだと考えていた。しかし実際には、柔軟性のなさでMac OS Xの右に出るものはない。そして最近になって、それが設計に起因するものだと理解するに至った。要するに、最初から柔軟性を持たせておかなければ壊すことは難しくなる、すなわち堅牢になるというわけである。Mac OS Xは、こういったアプローチにより堅牢なOSとなっていると言える。しかし、Mac OS Xのユーザーすべてに対して、画一化されたユーザー像を押しつけるのは間違いである。Appleは、Steve Jobs氏が望む使い方ではなく、ユーザーが望む使い方を可能にするために、門戸を広げるべきなのだ。OSはユーザーに協力するものであり、ユーザーの足を引っ張るものではない。Mac OS Xはユーザーフレンドリーであるものの、ユーザーの足を引っ張る傾向にあると言えるだろう。
#3:Linuxにおける規格の欠如
Linux Standard Base(LSB)というプロジェクトが発足したのには理由がある:Linux OSにおける多くの側面(ほとんどの側面とまでは言わないまでも)を標準化するためだ。しかしこれまでのところ、LSBは失敗に終わっている。失敗の原因はもちろん、LSBサイドにあるのではなく、ディストリビューションそのものの開発者たちサイドにある。とは言うものの、標準化の合意を形成できないために、Linux OSは痛手を被っている。さまざまなディストリビューション上で動作するソフトウェアをより容易に開発できるようにするうえで、Linuxの標準化は必要なのである。信じられないかもしれないが、このことは、Linuxの持続的な成長を支えるうえで必ず乗り越えなければならない壁だと言える。