企業におけるモバイル機器の利用が急速に進むことで、予期していなかったサポート上の難題が持ち上がってくることもある。そこで本記事では、こういった状況においてITプロフェッショナルが留意しておくべきポイントについて説明する。
モバイル機器は何年も前からさまざまなかたちで利用されている。とは言うものの、企業環境において大きく普及が進んだのはごく最近のことである。このためITプロフェッショナルは、こういったモバイル機器の管理を行ううえで特に問題となりそうな点について理解しておく必要がある。以下では、そのためのポイントを10個挙げている。
#1:モバイル機器間の整合性を維持することの重要性を忘れないようにする
すべてのユーザーに対してまったく同じタイプのモバイル機器を貸与することは、たいていの場合不可能である。また、初期導入時に全ユーザーに対して同じタイプの機器を貸与できたとしても、そういった機器は短期間で次々にモデルチェンジしていくため、初期導入時に用意したものと同じタイプのものをいくつか買い足したいと思っても、もはや入手不可能となっているということもあり得る。
とは言うものの、企業内で使用するモバイル機器の種類はできるだけ抑えておくようにするべきだろう。ヘルプデスクにとっては、使用されている機器の種類が多ければ多いほど、適切なサポートを提供することが難しくなるためである。
#2:フルプロビジョニングが可能なモバイル機器を使用する
Microsoftは、モバイル機器に対してさまざまなセキュリティポリシーを適用できるサーバ製品(Exchange Server 2007やExchange Server 2010、System Center Mobile Device Managerなど)を提供している。しかし、モバイル機器には共通標準というものが存在しないため、こういったサーバ製品は特定のモバイルOSのみしか管理することができない。フルプロビジョニングが可能なモバイル機器であれば全面的な管理が可能となるため、そういった機器のみを使用するように決めておくことをお勧めする。
#3:モバイル機器に関するポリシーをユーザーが理解していることを確認しておく
モバイル機器は濫用される可能性が極めて高い企業資産であると言える。筆者が最近耳にした話を例に挙げると、会社から貸与されたモバイル機器を用いて、韓国に住んでいる妹に電話をかけた女性がいた。その電話料金の高さは容易に想像できるだろう。天文学的な接続料金を請求されるというリスクを避けるうえで、会社が貸与するモバイル機器についての適切な使用ポリシーを明確にしておく必要があるだろう。