富士通は9月30日、東京大学の学内業務システムの共通基盤を、同社のブレードサーバ「PRIMERGY」と仮想化ソフトウェア「Hyper-V 2.0」で構築したと発表した。
従来、全国の国立大学では共通の業務アプリケーションを使用していたが、2004年の国立大学の法人化にともない、各大学の特長を生かしたそれぞれの業務システムを構築するなど、情報システムのあり方が大きく変化したという。
東京大学においては、管理部門ごとに業務システムを個別に構築していたため、ハードウェアの種類や設置場所がバラバラで、ハードウェアリソースの有効活用や管理部門別の運用管理の負荷などが課題となっていた。東京大学では、情報システム本部の主導で全学的な情報システムの基本方針を2009年に立て、計画的にシステムの導入運用を行う取り組みをスタート。その第1弾として、業務システムのインフラ刷新を行い、仮想化技術を用いた業務システムの共通基盤を構築し、2009年12月に稼働させたという。
この共通基盤は、富士通のブレードサーバ「PRIMERGY BX620」5台と仮想化ソフトウェア「Hyper-V 2.0」を組み合わせて構築したもの。学内ポータルサイト、共通ID管理システムなど5つのシステムが仮想化サーバに移行され、運用されているという。これにより、5つのシステムで使用するサーバ台数の70%削減や、セキュリティ対策のアップデートなどに伴う停止時間の短縮、運用管理コストの低減を実現したとしている。
また、Hyper-V 2.0の活用により、ライブマイグレーションが可能となり、3月に実施したブレードの追加とメモリ増強作業の際に、業務システムのサービスを一切停止させずにリソースの増強を行うことができたとしている。さらに、4月の新規業務アプリケーション構築の際に、同共通基盤を活用することでハードウェアの追加投資をせず、迅速かつ柔軟にサービスの提供を開始できたという。
東京大学では今後、現在稼働している他の業務システムだけではなく、新規のシステムについても可能な限りすべて、この共通基盤に仮想化統合していく予定だという。