NECと建設業界4社、建設業界向け基幹クラウドサービスを提供--業務適用率70%超

大河原克行 2010年10月08日 12時15分

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 NECと、東急建設、竹中土木、日本国土開発、TSUCHIYAの総合建設4社は10月7日、建設業界が共同で利用できる「クラウド指向サービスプラットフォームソリューションサービス」を共同企画し、建設業界向け基幹業務クラウドサービスとして販売活動を開始したと発表した。2011年度からのサービス開始を予定しており、5年間で50社へのサービス提供を目指す。

 建設業界は、業務プロセスが多種多様であり、業務の共通化が難しいといわれる。だがその一方で、厳しい事業環境のなかで、各社単独のIT導入が困難になり、今後の国際会計基準への対応なども迫られている。

 NECでは、長年の建設業界向けのノウハウを活用して「建設クラウド構想」を展開している。その第1弾として建設、土木業における経営、事業基盤となる基幹業務システムの実現に向け、東急建設、竹中土木、日本国土開発、TSUCHIYAとともに、共同研究会を立ち上げて可能性を模索してきたという。

堀江俊一氏 東急建設取締役常務執行役員、管理本部長の堀江俊一氏

 東急建設取締役常務執行役員、管理本部長の堀江俊一氏は、「共同研究会は2009年9月にスタートし、基幹業務プロセスの標準化などの取り組みを行ってきた。共同研究会は今年8月に終了し、現在はその成果をもとに開発段階に入っている。NECにはITの側面から支援をしてもらっている。今後も協力関係を続けていくことになる」とした。

 建設業界向け基幹業務クラウドサービスは、財務会計、管理会計などの「会計サービス」、物件情報管理、工事契約管理などの「総合工事管理サービス」、原価管理などの「現場原価管理サービス」をアプリケーションサービスとして提供。さらに、ログイン管理、メール配信、ワークフロー、運用管理などのクラウドサービス基盤も提供される。

 「共同研究により、共通機能をソフトウェア部品化し、柔軟性、変化対応力を備えた基幹業務クラウドサービスとなる。業務適用率は、個別帳票を除いて全体の70%超に達する」(NEC執行役員の龍野康次郎氏)という。

「建設業界向け基幹業務クラウド」のサービス内容 「建設業界向け基幹業務クラウド」のサービス内容(画像クリックで拡大表示)

 共通業務についてはテンプレート化して提供する。これらを組み合わせて最適化したサービスを利用できるほか、個別対応によるカスタマイズも行えるようにする。また、既存の人事給与システムや、建設業界の共通EDIといった外部システムとの連携も可能となっている。

 また、「共同センター型サービス」の仕組みを採用。アプリケーションとプラットフォームを共通とすることで、導入費用および運用費用を約30%削減できるという。

 「業務の標準化により、アプリケーション仕様の共通化と共同利用が可能になり、初期投資を抑え、ITコストを削減できる。ユーザーにとっては、この分を新たなIT投資へとつなげることができる」(龍野氏)

 共通サービスの利用については、月額約500万円程度を見込んでいる。

 利用企業数の拡大に合わせて、建設、土木、道路、設備という業態別および企業間への利用へと拡張し、共同利用が可能と判断した個別機能は共通機能へと拡張。こうしたプロセスによって業務適用率を高めていくことで、さらなるコストメリットも追求できるとしている。

 「NECは、これまでに培った基幹システムのシステムインテグレーション実績や、クラウドコンピューティングにおいても、2010年から稼働するNECの12万人が利用する経理、販売、購買システムのクラウド化、自動車部品大手のエクセディによるグローバル会計システムでのクラウド指向経理サービスを提供した実績がある。基幹システムのクラウド化では他社との差別化になる」(龍野氏)

龍野康次郎氏 NEC執行役員の龍野康次郎氏

 NECの建設クラウド構想は、建設業界の基幹領域のみならず、建材、材料、機器メーカーなどの関連企業間連携、現場や中小規模の専門会社、協力会社の領域まで業務適用範囲を拡張し、建設業界全体が共同利用できるクラウドサービスの構築を目指すもの。今回のクラウドサービスも、今後、購買・調達サービス、情報共有クラウドサービス、道路舗装業および設備向けの基幹業務サービスへと拡大する。

 「建設業界は単一業界としては最大規模となる50万社に達し、関連業などを含めて幅広い。将来は、中堅中小領域、企業間連携まで業務適用範囲を拡張し、建設業界全体が共同利用できるクラウドサービスへと発展させる」(龍野氏)としている。

 将来的には海外展開も視野に入れているとしたが、具体的な時期や地域などについては言及しなかった。

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