積水化学工業 住宅カンパニーとNECは10月8日、次世代型住宅「スマートハウス」の中核技術とされる「HEMS」(ホームエネルギーマネジメントシステム)で事業提携することに合意したことを発表した。10月1日付けで契約を締結している。
積水化学は「太陽光発電+HEMS」がスマートハウスの始まり、つまりポストソーラー住宅時代の幕開けのスタンダードになるものと考えている。HEMSの主な機能は、エネルギーの需給の「見える化」、その情報をデータセンターで集積管理する「マネジメント」、家電等をコントロールして省エネを促進する「制御」の3つに分けられる。そのため、ITを活用した家庭エネルギーの需給の把握管理は、今後極めて重要になるとしている。
今回の契約は、太陽光発電の搭載で多数の実績を持つ積水化学がHEMS領域で研究、蓄積してきたノウハウと、NECのITやクラウド構築の実績を組み合わせ、家庭内のエネルギー利用の可視化を図り、クラウドを利用したHEMSの普及とHEMS搭載住宅で10%以上の省エネを目指す内容。今後は、NECが情報収集装置を含む電力測定装置と、家庭用PCでエネルギー消費量を表示するアプリケーションソフトを開発し、積水化学が製品の最終評価を実施する。2011年春には、太陽光発電搭載のセキスイハイムと組み合わせて販売したい考えだ。
セキスイハイム・スマートハウスでは、家庭用PCを利用して太陽光発電とオール電化住宅のエネルギー需給を一元管理するため、利用者自身による効率的な省エネ制御が可能になるという。また、データセンターで家庭の電力使用量や太陽光発電量、売電および買電などの情報を蓄積するため、太陽光発電稼働状況を診断する「設備見守りサービス」や、省エネ診断「光熱費コンサル」などのサービスを提供し、住宅オーナーのサポートを強化していく。
これまで実用に供されているシステムは、多機能かつ専用モニタが必要で、高価格がネックとなり十分浸透しているとはいえなかった。同システムは、電力測定装置と情報収集装置で構成するシンプルなシステムで、10万円以下の普及価格を計画しているという。