電通国際情報サービス(ISID)の子会社であるISIDインターテクノロジー(ISID-IT)は10月20日、iPad用営業支援プラットフォームを開発したことを発表した。
同システムは、ExcelやPowerPointなど既存の資産を活用し、ユーザーが自由にストーリーを組み替えてiPad上でプレゼンテーションできるシステム。ISID-ITでは、店頭や訪問での営業スタイルを一新し、営業効率を飛躍的に向上させることが可能なシステムとしている。
同システムでは、iPadに表示される編集画面上で説明ストーリーを作成および変更できる。説明コンテンツ(カード)をタッチ操作するだけで作成できるため、プログラミングスキルを持たない営業担当者でも簡単に操作できるしくみだ。説明の条件分岐の設定も可能なほか、テキスト、ボタン、Word、Excel、PowerPoint、PDF、動画などのさまざまなコンテンツを自由に取り込むことができ、既存のコンテンツ資産を有効に活用できるとしている。
また、ユーザーが自由に説明ストーリーを変更してプレゼンテーションできる機能と、あらかじめ作成された説明ストーリーのみ実行可能にするなど「権限設定機能」も提供する。「ログの保存機能」では、説明時のタイムスタンプや使用したコンテンツなどを記録。日本語、英語、中国語、韓国語の言語切り替えも可能だ。さらに、電子パンフレットやアンケートなどパブリッククラウドやプライベートクラウドサービス、他のiPadアプリとの連携機能を備えており、拡張性の高い営業支援システムとして利用できるとしている。
ISID-ITでは、トップ営業の説明ストーリーに沿った営業活動を誰でもできるようになるため、営業教育や営業力の向上に効果があるとともに、顧客への訴求力も高まるとしている。また、ログの保存機能によって、重要事項の説明漏れや説明不足を防ぐなどの効果もあるという。
ISID-ITでは今後、数社のパイロットユーザーの協力を得て本システムの機能を強化した上で、年内にも発売する計画だ。
価格は、あらかじめ作成された説明ストーリーを実行するのみのランタイムライセンスは無償、編集機能付きライセンスは有償での提供を予定している。また、他のアプリケーションとの連携パーツや、ノンプログラミングでDBアプリケーションを作成できるパーツは有償オプションとして提供し、企業独自のビジネスロジックを業務パーツとして組み込む受託開発にも対応したい考え。
なお同システムは、App Store経由では提供されない。Appleが提供する企業や組織団体の従業員を対象とした「iOS Developer Enterprise Program」の登録による社内業務専用アプリケーションとして配布される。