収益をもたらすCIOが注目すべき7つの重要テーマ
Kutnick氏は、Gartnerの顧客が今後3年間にわたって注目する7つの重要なテーマを挙げ、これらを売上に貢献するものと、コスト削減に貢献するものに分けて解説した。
1. コンテキスト・アウェア・コンピューティング(売上に貢献)
「コンテキスト・アウェア・コンピューティング」とは、“コンテキスト”、つまりユーザーがどのデバイスを使っているか、何を検索して、どんな情報をほしがっているかなど、文脈をしっかり把握した上で提供されるサービスやソフトウェアの有り様だ。
「コンテキストがすべてを変える」というKutnick氏は、ユーザーがどこにいて何をしているかが分かれば、企業は先手を打ってサービスや商品を提案できると説明する。ただし、こうしたサービスを実現するためにはプライバシーに対する影響を十分考慮する必要もあると強調した。
コンテキスト・アウェア・コンピューティングを技術的な側面から見ると、それは「モデルに基づいた活動」(Kutnick氏)となる。
「証券取引所では、トレーダー(人)が売買するのではなく、コンピューターがモデルに従って売買している。広告も同様に、モデルに従って表示されるようになるだろう」(Kutnick氏)
ユーザーの文脈に沿ってさまざまなサービスが提供される――そうなると「メッセージの質と内容のシフトが起こる」(Kutnick氏)ことになるだろう。
2. ITの新たな現実(売上に貢献)
ITの新たな現実とは、先にも述べた収益をもたらすCIO、売上に貢献するIT部門が求められているという現実のことだ。IT予算の制約が年々厳しくなるなかでも、あるいは“だからこそ”「ITは企業の成長に寄与していかなければならない」とKutnick氏は強調している。