インターネットイニシアティブ(IIJ)とF5ネットワークスジャパン(F5)、ネットアップの3社は2月22日、クラウドストレージ分野で協業し、自社運用(オンプレミス)のストレージ環境とクラウドストレージ環境のシームレスな連携を可能にする「IIJ GIOハイブリッドストレージソリューション」を共同開発したことを発表した。4月から提供される。
IIJ GIOハイブリッドストレージソリューションは、F5が提供するファイルストレージ仮想化製品「ARX」シリーズとネットアップのストレージシステムを採用した「IIJ GIOストレージサービス」を組み合わせたもの。企業が保管するデータを、重要度や利用頻度に応じて最適なストレージ環境に転送、配置するとしている。
ユーザー企業は、自社のストレージ環境に保管されているデータの中から、利用頻度が少ないファイルをIIJ GIOのクラウドストレージ環境へ自動転送して保管することで、データ増加に伴う設備増強コストを抑え、効率的なストレージ投資、運用が可能になるという。ARXのファイルストレージ仮想化技術でクラウド上に保管されたデータとオンプレミスのデータを、1つのストレージ環境(仮想ボリューム)上のデータとして管理できる。ユーザー企業は、2つのストレージ環境を意識することなく、容易に対象のデータにアクセスできるという。
日々増え続けるデータ量と、コンプライアンス対策におけるデータ保存の長期化などにより、企業におけるストレージコストは増大している。海外では低コストで大容量のクラウドストレージサービスが登場し、日本企業でも利用を検討しはじめているという。しかし、企業用途に求められる性能を海外クラウドで実現するためには、ロケーションの問題や稼働率保証、セキュリティへの不安などの課題があり、本格的な導入はなかなか進んでいないと指摘している。