日立製作所(日立)は4月13日、外務省内の各業務部門に対し、PaaSやIaaSの形態でシステムインフラ環境を提供するプライベートクラウド「業務系共通プラットフォーム」を構築したと発表した。
外務省では、2月から業務系共通プラットフォームを利用した形で一部業務システムの稼働を開始しており、4月からその他の業務システムを加えた本格稼働を開始しているという。
同省では、この業務系共通プラットフォームにより、運用、保守の一元管理を実現し、さまざまな業務システムの構築に必要なITリソースを外務省全体で最適化するとともに、調達プロセスの合理化やIT部門におけるシステム運用、管理にかかる負担を低減することで、外務省内の各業務部門に対するサービスレベルの向上を目指すという。
日立は、外務省が推進している業務システム環境の最適化について、これまで培ったプライベートクラウド構築や仮想化に関するノウハウを活用して、サーバやストレージなどのITリソースを集約、統合し共通基盤化したという。
業務系共通プラットフォームでは、OSやデータベース管理システムなどを組み合わせたレディーメードのPaaSやIaaSの形態でのシステムインフラ環境を、オンデマンドで提供するシステムモデルを用意する。また、業務システムの開発ベンダーに、統一的な利用環境を提供できるよう、業務システムの開発担当者と、業務系共通プラットフォーム管理担当者の役割分担を明確化するなど、業務システムの開発を妨げない環境を整備したとしている。これにより、短期間でのシステムの立ち上げが可能となるなど、開発期間の短縮とシステム管理者の負担軽減を図っているという。
日立では、今回のシステム構築に先立ち、提供する機能や稼働品質などを定めた「標準SLA」や、業務システム開発ベンダーが参照する「インフラ環境利用の手引き」といったプライベートクラウド導入を効率的に行うためのツールを開発した。これらのツールを適用することで、同プラットフォームの構築は、プロジェクト立ち上げからわずか約4カ月で実現したとしている。