利用中に効果が高いのは「ディスプレイ」
また、PC利用中に節電効果が高い「特効薬」として、同社では「ディスプレイの明るさ」の設定を挙げている。今回の調査によれば、液晶ディスプレイの輝度(ブライトネス)を100%から40%に下げることにより、ディスプレイ単体で平均約38%の節電効果が認められたという。これに、PC自体の節電効果を合わせることにより、全体で平均約23%の節電効果が期待できるとしている。
設定に当たっては、デスクトップPCに接続された外部モニタの場合は、それぞれのディスプレイの設定メニューから輝度(ブライトネス)調節が行える。また、Windows Vista以降のノートPCでは、コントロールパネルの「電源オプション」「プラン設定の編集」から輝度調節が可能だ。これに合わせて、一定時間非使用の場合にディスプレイをオフにする設定をしておくことで、より高い節電効果が得られる。
中川氏は「マイクロソフトの調査によれば、現在、日本全国には約7230万台のPCが存在し、うち東京電力管区内には2455万台があると推定される。今回の試算から、適切な設定が行われた場合の節電効果は1台あたり約30%。東京電力管区内のPCがすべて同時刻に稼働すると仮定した場合、全体で約35万kWの電力が節電できることになる」とする。
今回の調査の詳細な結果については、日本マイクロソフトのウェブサイト内に「Windows PC節電策」としてまとめられている。同サイトでは、Active Directoryのグループポリシー機能やコマンドラインなどを用いたWindows PCの電力設定展開方法のホワイトペーパーも公開されており、主に企業のシステム管理者などに対し、節電計画の立案に際して参考にしてほしいとしている。
また、同サイトでは5月10日より、自分では設定変更が難しい初心者ユーザー向けの「Windows PC自動節電プログラム」も公開している。これを利用することにより、OSの電源オプションの項目に、節電効果の高い設定が自動的に適用されるという。ただし、PCメーカー独自の「電源管理ソフト」や「節電機能」がすでにインストールされている場合には、当初の設定が変更されてしまう場合があるため、注意するよううながしている。個人ユーザー向けには、節電設定に関する問い合わせを受け付ける無償電話サポート(0120-37-0196、平日9:30-12:00、13:00-19:00)も開設されているので、自分のPCでの節電設定に疑問な点がある場合には利用を検討してみよう。
仕事はもちろん、個人の生活の中でもPCが必需品となっている人は多い。だからこそ、小さな設定変更でも、多くの人が行うことで、大きな節電効果が得られるはずだ。「今すぐにできる」節電対策として、会社や家庭で実践してみてはどうだろう。
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