3.PacketFence
「PacketFence」は、わたしがインストールする必要があったアプリケーションやサービスの中で、LDAPに次いで大変だった。PacketFenceはネットワークを細かく制御する必要がある人なら、誰でも利用すべき素晴らしいツールだという事実が、さらに問題を悪くしている。PacketFenceはあまりにも強力なため、使い始めるとこれが無料だということに驚いてしまうほどだ。フリーソフトウェアがこれほど強力だとは信じられない、というわけだ。しかし、自由には対価が求められる。その対価は、PacketFenceを動く状態にするまで時間を費やした後の、ユーザーの正気だ。ただしここで、PacketFenceを動かすのなら、「Ubuntu」にインストールするよりも、「Red Hat」か「CentOS」の方がはるかに簡単だということは指摘しておくべきだろう。このため、もしPacketFenceを試してみたいと思うのであれば(絶対に試してみるべきだ)、サポートが手厚いディストリビューション上でインストールした方がよい。
4.Bacula
わたしはとにかく「Bacula」を理解できない。もちろん、わたしはBacula(を動かすのに)にふさわしいと思うだけの時間を注ぎ込み、注意を払った。しかし、Baculaはおどろくほど複雑なシステムだった。当然、これほど複雑なバックアップシステムは、設定もわかりにくい。そして、Baculaの管理を簡単にするためにGUIである、「Bacula Admin Tool」を使っても、やはり非常にわかりにくいのだ。わたしがBaculaにそれ以上の時間と努力を注ぎ込むのをやめたのは、Linuxクライアントのバックアップに十分役立ってくれる、「LuckyBackup」などのツールがあるからだ。ただし、「クライアント」というキーワードには注意が必要だ。Baculaはクライアントとサーバのバックアップを行うシステムであり、システムがはるかに複雑になるのは当然なのだ。本当の問題は、バックアップを設定するためのよいGUIがないということだろう(少なくともわたしはまだ見つけていない)。Bacula Admin Toolも十分ではない。
5.Active DirectoryとSambaの統合
これは、説明不要だろう。そして、複雑さの主な原因が(あらゆる標準に従おうとしない)Microsoftだということも、わたしは理解している。しかし、(リバースエンジニアリングに熟達している)Linuxコミュニティーも、Microsoftだけを非難するわけにはいかない。フォルダの共有はずいぶん簡単になった(少なくともGNOMEとKDEではフォルダ共有は非常に簡単だ)。「Likewise Open」や「Centrify Express」のようなツールがあれば、LinuxマシンをActive Directoryに接続する設定をGUIで行うこともできる。しかし、どちらのツールでも、sudoアカウントやユーザーアカウントを入力する必要があった。
6.Exchangeとの統合
グループウェアである「Evolution」のクライアントには、クライアントから「Exchange」サーバへの接続を可能にするアドオンがあり、プッシュ型機能まで利用できる。しかし、これは驚くほど不安定で、データが失われる場合さえある。そしてこれは、LinuxからExchangeサーバに接続したい場合、ほぼ唯一の選択肢だ。「Claws Mail」も、「Kmail」もだめだ。もちろん、こんな状況になっているのは、(他人に自分のものを触らせまいとしている)Microsoftが悪いのだ。しかし、オープンソースコミュニティーは、常に変わる標準と隠されたAPIに邪魔されるほど、弱くはないはずだ。