日立化成工業は生産工程管理システムをPaaS「Force.com」上に開発、2010年9月から稼働させている。システムを構築した日立ソリューションズが7月25日に発表した。
日立化成は、PCや携帯電話、家電などの部品として使われる電子材料部品を生産している。今回のシステム刷新は韓国の工場のもの。同工場の生産工程管理システムは老朽化しており、安定稼働を実現するために情報基盤の構築が急務とされていた。
日立化成では、グローバルで業務プロセスと情報の共有が必要と認識しており、中長期的に国内と海外の生産拠点の追加などに柔軟に対応できるシステムが必要と判断している。新システムには拠点ごとのきめ細かい要件を満たすとともに、多言語などへの短期での対応が必要とされていた。
そうした背景や狙いからForce.com上に開発することが決まった。要件確認に2カ月、開発に3カ月、テスト受け入れに2カ月という合計7カ月で導入している。刷新されたシステムで同工場におけるシステム運用業務の最適化を図り、生産工程の計画と実績の進捗情報を日本から即座に把握できるようになっている。Force.comの機能を利用することで、柔軟なシステム改変と多言語化に対応できる仕組みという。
日立化成では、韓国だけでなく、ほかのアジア地域の製造、加工、供給拠点に対しても、言語や拠点ごとの要件に柔軟に対応できる生産工程管理システムの導入を展開し、グローバルでの業務プロセスと情報の共有を進めていくとしている。