タブレット端末:2012年に1億台突破の見込み--スマホとのすみ分け進む

富永恭子 (ロビンソン) 2011年07月28日 06時00分

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 矢野経済研究所は7月27日、タブレット端末市場の調査結果を発表した。

 2010年度(2010年4月~2011年3月)の国内市場でのタブレット端末出荷台数は96万6000台で、海外メーカー製が多数を占めたという。2010年度はモデル数が限定されていることに加え、新しいカテゴリの製品であり、用途が模索段階にあること、タブレット端末向けのアプリケーションやコンテンツ配信環境も整備段階にあることなどから、先進ユーザーへの販売が主体となったとみている。

 2011年度の出荷台数は291万5000台と予測(図1)。販路別に見ると、通信事業者ブランドが全体の75.5%を占め、モデル別ではWi-Fiモデルが57.6%を占める見通しだという。

 背景としては販売ルートがあるという。3G内蔵モデルがOEMによる携帯電話事業者ブランドでの販売となっているのに対して、Wi-Fiモデルは通信事業者ブランドに加えて、メーカーブランドでも販売されている。夏季商戦までは市場に展開されるモデルが少なく、一部メーカーの製品に人気が集中しているが、年末商戦に向けて通信事業者ブランドにPCメーカーやAV機器メーカーの製品が加わるとみている。

図1 図1:国内タブレット端末市場の推移
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 販路別では、通信事業者ブランドが220万台、その他メーカーブランド71万5000台と予測。モデル別出荷台数は3G内蔵モデルが123万5000台、Wi-Fiモデル168万台と予測している。Wi-FiモデルはモバイルWiFiルータとのセット販売も見込まれ、ネットブックに替わる商材として扱われると考えられるという。

 販売面では現在Wi-Fiモデルの構成比が高いものの、将来的には通信速度やハードウェア性能の向上、通信事業者による積極的な販売への取り組みなどから3G内蔵モデルの比率が上昇するとみている。今後は個人ユーザーに加え、法人ユーザーの利用が増加すると予測。2013年度には602万台の市場規模拡大を見込んでいる。

 これまではスマートフォンと類似したハードウェア構成のタブレット端末だったが、今後は、PC系OS搭載モデルの増加、3DやHD動画、ゲーム対応を前提とした高性能半導体の搭載、ディスプレイサイズの多様化が見込まれるという。次第にスマートフォンとのすみ分けが進むものと予測している。

 世界全体での2010年の出荷台数は2025万5000台(前年実績15万台)となった。2010年の発売以降、世界的に電子書籍への注目度が高まったことを背景にビューワーとしてタブレット端末への関心は高まったが、製品を投入したメーカーは少なかった。

 タブレット端末市場は主に通信機器メーカーやPCメーカー、家電・AV機器メーカーが参入しているが、中でもスマートフォンの開発経験を持つ通信機器メーカーが先行している。通信機器メーカーは、スマートフォン開発で最新OSやチップセットを搭載した製品を矢継ぎ早に導入しており、導入スピードの速さとラインアップの多彩さから主導権を得ていると説明している。

図2 図2:世界タブレット端末市場の推移
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 端末開発で出遅れた感があるPCメーカーは、スマートフォン向けOSを搭載した製品に加え、PC用OSを搭載した製品を導入。PC製品の1バリエーションとして位置付けられるため、3Gモジュール非内蔵、10インチ前後ディスプレイを搭載した製品が主流になる見通しだという。家電・AV機器メーカーは、自社が提供するAV機器やコンテンツやアプリケーションのサービスとの連携を前面に出し、デザイン性を強調した製品で差別化を図ると考えている。

 2011年の出荷台数は2010年の3倍強となる6627万台の見込み(図2)。スマートフォンと一部競合すること、コンテンツやアプリケーション供給を含めた環境整備がこれからであること、新しいカテゴリの製品であるため用途開拓が進んでいないことなどから、タブレット端末は市場が立ち上がったばかりでメーカー各社はまだ手探りの状態にあると説明している。

 一方で、2011~2012年にはさまざまなOSやチップセットが登場することから、多種多様な製品が導入され、2012年以降にはスマートフォンとのすみ分けや用途開拓が進み、1億台を突破する規模で市場が拡大すると予測している。

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