電池や電子部品などを製造、販売するトーカドエナジーは製造業向け統合基幹業務システム(ERP)パッケージ「Infor ERP LX(旧BPCS)」と会計管理システム「Infor FMS SunSystems」を導入して、基幹業務システムを刷新した。日本インフォア・グローバル・ソリューションズが10月21日に発表した。
トーカドエナジーはこれまで独自に開発した販売管理システムと生産管理・会計のパッケージを組み合わせた業務システムを利用して事業を展開してきた。この業務システムは1994年に構築されたもので17年経過していることから、特に会計システムの老朽化に伴い、システムを刷新することを決定している。同時に生産・販売システムも再構築することを決定している。
ERP LXとFMS SunSystemsが採用されたのは(1)生産管理・販売管理・会計が統合されたパッケージである、(2)グローバル展開ができる、(3)業務システムの中核になるERP LXがIBM i(旧AS/400)上で稼働する――という3つの理由からだという。旧システムの構築、運用基盤としてIBM iが利用されていたことから、社内の開発者のノウハウが生かせることが大きかったとしている。将来的にグローバルに展開している各拠点の統合管理ができることも重要だったと説明している。
トーカドエナジーは2009年1月からERP LXとFMS SunSystemsの導入作業を始め、この1月から本社と名古屋営業所、神戸営業所、白石工場(宮城県)で本番稼働している。FMS SunSystemsは外部のSIerが導入作業を行い、ERP LXはトーカドーエナジーのシステム部門とプロジェクトメンバーで導入作業を行っている。
FMS SunSystemsを導入したことで、日次処理や月次処理、期末の決算処理などが効率化され、決算帳票類などはExcelでの二次加工をせずに出力できるようになっているという。ERP LXを導入したことで、業務がシンプルになっているとしている。
トーカドエナジーは旧システムについて「インターフェースなど、かなり作り込んでいたので使いやすい」としながらも、「17年間の機能拡張が逆にシステムを複雑にして、維持管理が大変だった」と説明している。ERP LXでは「こうした複雑さがなくなり、使う機能も絞ったことで、業務のスリム化が浸透しつつあり、現在は国内のみの展開だが、今後グローバルに展開できれば、効果がさらにはっきりする」とコメントしている。
同社の海外拠点では、それぞれに独自の業務システムを導入しており、月末になると月次データをメールで送信し、本社の業務システムにデータを再入力するという体制だ。各拠点の迅速な状況把握が困難という課題を抱えている。
今後は中国や韓国、米国に展開している生産・販売拠点にも順次、ERP LXとFMS SunSystemsで構築された基幹システムを導入していく計画だ。これによりメールでのデータのやり取りもなくなり、業務効率が向上することが期待されているという。国内のグループ企業にもERP LXを展開することを計画している。
トーカドエナジーの経営管理部門は「海外拠点から収集したデータから経営指標を作成している」と現在の状況を説明。「ERP LXとFMS Sunsystemsを導入して、海外拠点のシステムを統合管理することで、在庫や利益などの経営数値の見える化が実現でき、経営分析データの精度が向上し、より迅速な意思決定が可能になる」と期待を寄せている。