今冬オープンを予定しているTSUTAYAの蔦屋書店(東京・代官山)ではUHF帯RFIDタグ80万枚を活用した販売・在庫管理システムを構築した。1店舗で約80万枚のUHF帯RFIDタグを活用するのは国内最大級という。システムを構築したNECが11月8日に発表した。
構築されたシステムは、DVDやCD、書籍などの主要商品にRFIDタグを装着して、RFID読み取り用の棚アンテナを取りつけたRFIDスマートシェルフ、RFIDと電子マネーに対応するセルフレジ、RFIDスマートゲートなどを組み合わせたものになる。これまでバーコードリーダで人手でやっていた入荷検品やレジ作業、在庫位置情報管理の精度や作業効率を大幅に向上できるという。
商品にUHF帯RFIDを装着して、非接触のハンディターミナルで商品の位置情報などを一括で読み取り、情報の登録時間を軽減できるという。一部の棚にアンテナを取り付けて、棚に置いた商品のRFIDタグを読み取れるようになり、従来人手を介して確認していた在庫の位置情報を自動的に収集できるとしている。顧客が必要とする商品の位置を専用端末に正確に表示でき、広い店内でも素早く探せるようになることで、顧客満足度向上に貢献できると説明している。
レジの作業では、複数の商品のタグを一括で認識させることで、顧客のレジ待ち時間も軽減できるという。商品にRFIDタグを装着することで、レンタルでのセルフレジも可能となり、商品を他人に見られることなく、複数の電子マネーやTポイント、現金で簡単に精算できるようになるとしている。
貸し出しの多い新作や人気商品は、RFIDスマートシェルフへ陳列して、商品に貼り付けられたRFIDタグを定期的、自動的に読み取ることで、在庫状況の共有や販売データとの整合を迅速にできると説明している。書籍へのタグ装着は、書籍の盗難防止としても活用でき、ロス率を低減できるとしている。