ジェイズ・コミュニケーションは2月16日、米Symplifiedが開発するクラウド認証サービスの販売を開始した。パートナー企業を通じて販売される。
Symplifiedのクラウド認証サービスはシングルサインオン(SSO)とアクセス制御、ID管理などで構成されるアイデンティティ/アクセス管理(Identity and Access Management:IAM)システム。プライベートクラウドとパブリッククラウドの区別なくSSOを実現できるという。認証プロトコルのSAMLに準拠したサービスかどうかを問わず、SSOを実現できるとしている。
管理者はエンドユーザーに対して同サービス経由でのクラウドサービス利用を強制適用できる。本来、対応ブラウザであれば利用できてしまうクラウドサービスに対して、オフィスの運用ポリシーを適用できるようになり、ネットワーク境界にとらわれないクラウド向けセキュリティを講じることができると、そのメリットを強調している。
Symplifiedを導入すると、エンドユーザーがブラウザを開くと管理者が許可したクラウドサービスのアイコンが並んだポータルが表示される。エンドユーザーは一度Symplifiedにサインインしてしまえば、アイコンをクリックしてすぐに利用を始めることが可能だ。SAML非対応のクラウドでは、ポータルでアカウント情報を一度入力する必要があるという。
サービスは「Symplified」と「Symplified + Symplified Identity Management」の2つで構成。前者はSSOとアクセス管理の基本機能を利用できるライセンス。後者は基本機能にエンドユーザーを管理する機能も利用できるライセンス。どちらも1、2、3年の契約が用意されている。
パートナー経由での販売となるが、市場価格は1ユーザーあたり年額2000〜3000円程度になると推測される。
ジェイズ・コミュニケーションでは2012年にクラウドとモバイルの企業利用が一層進展することを見込んでおり、両者に軸足を置いた製品やサービスの整備に注力している。特にネットワークセキュリティ製品の販売に強みを持つことから周辺領域の開拓を進めており、1月18日にはファルコンシステムコンサルティングとの資本業務提携を発表。ファルコンシステムコンサルティングはマトリクス認証製品「WisePoint」のスマートデバイス対応を進めており、この提携でもセキュリティとモバイル、クラウドに注力している様子がうかがえる。