(編集部注:この記事は、前編と後編の2回に分けて公開されています。後編は2012年3月16日公開の「Windows 8はどうなる?--次期Windowsの概要を紹介(後編)」です)
この記事では、まもなく登場する予定の「Windows 8」について、知っておくべき事柄を紹介する。Windows 8は、「Windows 95」以来、もっとも劇的なデザイン変更が施されたWindowsだ。
--Windows 8ね。当ててみせよう、「Windows 7」の後継だろう?
そう、その通りだ。
--OK、つまり基本的には同じもので、番号が変わったんだ。そうだろう?
いや、そうでもないんだ。Windows 8は、それ以前のものと比べると、かなり劇的に変わっている。Windows担当プレジデントのSteven Sinofsky氏は、Windows 8はWindows 95リリース以降の数多くのWindowsとは違って、Windowsの「世代交代」を意味していると言っているんだ。
--どのくらい違うんだろう?
まず、Windows 8はPC以外のものでも動かせるようにデザインされている。Windows 8は、ラップトップおよびデスクトップコンピュータと、タブレット端末の両方で動かせるように作られていて、インターフェースは画面サイズに応じて大きさを変えられるようになっているんだ。
--だけど、Windows 7のタブレット端末は、世界を征服したとは言えないよね?
その通り。Microsoftはそれを知っているし、店頭に並ぶタブレット端末が増えている今、タブレット市場で戦えるオペレーティングシステムを持つ必要があると考えているんだ。タブレット端末でWindows 7を動かすことの問題は、これがそもそもデスクトップ用OSで、アイコンもマウスポインタ用にデザインされた、小さくて指では扱いにくいものだってことだ。だからMicrosoftは、Windows 8ではタッチ操作用にデザインされた、タイルベースの「Metro」と呼ばれるインターフェースを考案したんだ。
--それで、Metroはどんなものなの?
インターフェースは、タイルに対する操作をベースにしている。タイルは、基本的にタッチ操作でも扱いやすいように作られた、大きなアイコンだ。このタイルをタップしたりクリックしたりして、ローカルのアプリやウェブアプリを実行したり、ウェブサイトを見たりする。タイルはブロックに出し入れできるようになっていて、例えばアプリケーションのブロックや、よく使うサイトのブロックを作ることもできるし、仕事など特定のテーマに関係するブロックを作ることもできる。タイルは、新しいMetroアプリを購入できるWindows Storeなどのオンラインサービスや、コントロールパネルなどのシステム設定にもリンクしている。
一部のタイルは、動的な情報を表示するように設定することもできる。例えば、RSSリーダータイルには、フィードの最新の話題を表示させておけるし、カレンダータイルには次の予定を表示させておける。こうすることで、Metroのスタート画面にリアルタイムの情報を流すことができるんだ。
Metroのスタート画面の操作はタッチ操作に適していて、ユーザーはドラッグやピンチや拡大でブロックを操作したり、ドラッグアンドドロップでタイルを並べ替えたり、指でサイズを変更したりすることができるようになっている。画面の端にも大事な役割があって、バーを持ち上げればシステムやアプリと素早くやりとりできるし、テキスト入力のためのタッチスクリーンキーボードを呼び出すこともできる。
アプリ自体の操作も、タッチ操作しやすいようにデザインされていて、アイコンやタイルに触れやすくなっているし、スワイプ操作1つで実行中のアプリを切り替えたり、アプリを終了させたりといったタスクを実行できる。