こうしたIT産業の変化に対し、IT技術者の意識は「将来のキャリア目標を持っている」、「将来のキャリアパスが明確である」といった前向きな質問に対しては、否定的な回答が過半数を上回る。
「自分の将来のキャリアに対して強い不安を感じている」という質問に対しては7割の人があてはまると回答しており、将来に不安を抱え、将来のキャリアが描けていない人材が多いことが明らかとなっている。
具体的な不安としては、「今後も新しい技術やスキルをずっと吸収していけるのか」、「自分が現在持っている技術やスキルが将来通用しなくなるのではないか」といった回答が多い。
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しかし、この不安を解消するために自己研鑽しているのかについては、社内・社外の研修やセミナーなどを活用している人材は全体の4分の1程度。社内、社外のコミュニティ活動に参加している人は1割程度。雑誌、書籍、WEBなどを活用した独学や情報収集をしているという人が最も多いが、それもかけている時間は週に1時間から、2時間程度にとどまる。社内外の研修や活動への参加については、年間でも自己研鑽のための時間は最大でも10時間程度という回答が多い。
田中理事は、「IT技術者の多くがスキルアップの必要性を感じているものの、現実はお寒い状況が続いている。積極的に社内外の研修やコミュニティへの参加を試みてほしい」と厳しく指摘する。
ではIT技術者に未来がないのかといえば、「決してそうではない」(田中理事)という。