データの最適配置という観点では、クリティカルなアプリケーションで300%のパフォーマンス向上、仮想マシンを1台に集約することでシステム使用率を2倍に高め、ソフトウェアライセンスを必要するコア数を70%削減したこと、管理の統合により管理コストを50%削減できることなどのメリットを強調している。
「IBMでは、スマーターコンピューティングに関する研究開発と買収に過去4年間に20億ドルを投資し、17カ国37カ所の開発拠点でのべ数百万時間の開発投資を行っている」と説明。PureSystemsには、エキスパートが持つ高度な知見を実装していること、設計段階から最適な統合を図っていること、計画から導入、運用に至る煩雑な作業から解放されるといった特徴を示した。
インフラシステムのPureFlexでは、柔軟なインフラ環境を構築できるとして、これによりさまざまなユーザーのニーズに対応。専門知識を組み込んだシステム、統合システムを実現するシステム設計、シンプルなカスタマーエクスペリエンスなどといった点での優位性を強調する。
プラットフォームシステムのPureApplicationでは、すぐに実装可能な包括的なシステムであること、継続なタスクを簡略化できること、クラウドに対応した柔軟なアプリケーションの稼働環境を実現できることなどを示した。すでに、SAPサーバのブロビジョニングに必要な時間を数週間から数分に短縮したという実績も出ているという。
一方、“パターン”を用いることが今後重要になるとし、「OSやアプリケーションの実装、ネットワークへの接続をどう定義するか、また、チューニング、モニタリングをどうするかといったことをパターンとすることで、これまでマニュアルで行ってきた作業をベストプラクティスとして提供できる。このパターンを横展開していくことが重要になる」と説明している。
「IBMが持つ多くの経験を活用することや、何百ものビジネスパートナーとのアライアンスによるパターンの提供に加え、顧客自身のノウハウを活用するという、3つの方法でパターンを実装することができる」
Rao氏は「スマーターコンピューティングの実現には、ストレージが重要な要素を持つ。ビッグデータを活用するには、効率的なストレージスペースを活用しなくてはならない」と説明。「スマーターストレージの実現においては、データを効率的に管理し、スペースを最小化すること、自立的に最適化していくこと、クラウドの俊敏性を活用していくことが必要になる。そしてPureFlexは、仮想化されたストレージを新たなレベルにまで引き上げていくものになる」とPureFlexの可能性を強調している。
続いてネットワークについても言及する。
「仮想マシンの密度が高まることで、仮想マシン間のトラフィックの課題が出てくる。より多くの機器が接続されることでスイッチの管理方法にも課題が出てくる。PureSystemsは、こうした問題にも対応できるものであり、OpenFlowをベースとしたスイッチに対応し、効率とデリバリにかかる時間も改善できる。IBMはさまざまな機能をOpenFlow環境で提案している」
最後にRao氏は「IBMは、年間60億ドルの研究開発投資を行い、25万人の技術者がいる。これらの知見を生かしながら、ビジネスパートナーとともに業界にさまざまなイノベーションを起こしている。これからもオープンな機能を提供し、“Software Defined Networking(SDN)”も統合していく」などと語り、講演を締めくくった。
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