IDC Japanは6月19日、2012年第1四半期(1~3月)の国内サーバ市場動向を発表した。市場規模は前年同期比4.9%増の1234億円、出荷台数は同4.8%増の14万7000台となっている。
1~3月はメインフレームとx86サーバが好調だったと説明する。メインフレームは2011年第4四半期まで8期連続のマイナス成長となっていたが、1~3月は同19.5%増とプラス成長に転じている。金融向けの大型案件が複数のベンダーであったと分析している。
x86サーバは同7.0%増のプラス成長。前年同期は、東日本大震災の影響でマイナス成長だったが、この1~3月はその反動と分析している。懸念されていたタイの洪水によるハードディスク不足の影響は軽微にとどまっているとみている。
ベンダー別出荷額は富士通が首位。この1~3月はメインフレームやビジネスサーバ、x86サーバが好調で、前年同期からいずれも2桁のプラス成長を記録している。
メインフレームでは、金融向けと製造向けに大型案件があったという。ビジネスサーバでは、OS「OSIV/XSP」を搭載した「PRIMEQUEST 1000」シリーズが好調。x86サーバでは、情報サービス向けに大口の出荷があったと説明する。
2位はNEC。x86サーバとIA64サーバが前年同期でプラス成長している。x86サーバは通信事業者向けと情報サービス向けに大口の案件があったとしている。3位はIBM。メインフレームが同1.0%増とプラス成長を維持しているが、x86サーバとRISCサーバがマイナス成長となっている。
4位はHewlett-Packard(HP)。ビジネスサーバが同96.5%増と好調だったが、x86サーバとIA64サーバがマイナス成長。5位は日立製作所で、3期連続のプラス成長。RISCサーバとメインフレーム、x86サーバのすべてがプラス成長となった。6位は2期連続のプラス成長を記録したデル。
出荷台数ではNECが1位。2位以下はHP、富士通、デル、IBMの順となっている。
IDC Japanの林一彦氏(サーバーリサーチマネージャー)は1~3月について「メインフレームとx86サーバが好調」と説明。メインフレームは「過去2年間でマイナス成長が続いたが、この1~3月は金融向けの更新需要が好調で、複数のベンダーで大型機の出荷があった」と説明する。
x86サーバについて林氏は「引き続きネットビジネスを中心とする情報サービス向けが好調で、スマートフォンの普及やデータセンター向けの需要が大きく影響している」と指摘している。