日本NCRは7月11日、スマートデバイスを活用した販売時点情報管理(POS)システムを開発、第1弾としてiOS向けシステムの販売を開始した。既存のデータベースから従業員や商品のデータなどを取り込むことで、既存のPOSシステムと容易に接続できると説明する。
販売が開始した「NCRモバイルPOSシステム」では、iOS端末のiPhoneやiPod touch、iPadを利用したPOSシステムを構築、売り場を離れない接客を実現し、品質の高い顧客サービスを提供できると説明する。スキャンジャケットを利用したバーコードリーダ、端末に内蔵されたカメラでのバーコードの読み取りなどで商品を登録できる。商品登録は、商品コードを手で入力したり、リストにある商品群からも可能だ。
決済はクレジットカードでの支払いを標準機能としているが、付属機器と接続することで、現金や商品券での支払いにも対応している。ネットワークレシートプリンタやキャッシュドロアも同時に用意される。
今回のシステムでは、設置型POSでのレジ待ちを解消する手段として、前さばきPOSとして利用できる。iOS端末で登録された商品情報をPOSシステムに転送し、設置されたPOS端末で決済だけを行うといった使い方もできる。前さばきPOSとして利用することで、手狭なスペースや限られたレジ台数でもスピーディーに購入客をさばくことができるとメリットを説明している。
クレジットカード決済機能を活用すると、既存のPOS端末で登録された取引金額をiOS端末へ転送させる、あるいはiOS端末に直接入力することで、クレジットカード決済ができる。電子署名サービスと組み合わせることで、iOS端末単独でクレジットカード決済を完結させられ、ペーパーレスが可能になるという。
今回のシステムは、ユーザーインターフェースを提供するウェブUIサーバと取引を処理するストアサーバで構成される。NCRのデータセンターを利用したクラウドサービスの形態でも提供する。モバイル端末管理システム(MDM)や保守サポートサービスもあわせて利用できる。