データが増えても、管理者は増やせず--ストレージサービスへの需要高まる

田中好伸 (編集部)

2012-09-10 13:52

 IDC Japanは9月10日、国内ストレージサービス市場の2011年売上実績と2016年までの予測を発表した。2011年の売り上げは前年比2.6%増の2008億3400万円。同市場の2011~2016年の年平均成長率(CAGR)は1.4%で推移して、2016年の市場規模は2157億円と予測している。

 2011年の国内ストレージサービス市場はプロフェッショナルと保守の両サービスがともに売り上げを伸ばしている。売上構成比の高い保守サービスの回復が市場全体の売上拡大に貢献している。保守サービスの売り上げの伸びは、メインフレーム向けサービスの減少をオープン系システム向けのサービスが補う形で達成されたと説明している。

 プロフェッショナルサービスの分野では、コンサルティングが市場セグメントの中で最も成長率が高い前年比5.7%増という。コンサルティングの市場規模は小さいため、市場全体の成長率に対する貢献度は高くない。

 だが、コンサルティングは2010年からストレージサービスのセグメントの中で最も成長している分野となっており、2011年はその傾向が強くなっているという。仮想化技術導入によるインフラ環境の変化、運用の効率化や自動化を目指した再構築、無停止でのシステム更改などの要因やニーズがユーザーにコンサルティングの価値を認めさせていると分析している。

 今後もITリテラシ向上とともにデータを活用するシーンが広まり、企業や組織が保有するデータは、その種類、量がともに増え続けると説明。ビッグデータの活用にまで踏み込む、大量のデータを保有することになるユーザーも増えるだろうと予測している。

 だが、データ量に比例してストレージ管理担当者を増員できるわけではないため、現状と大きく変わらない体制で運用を継続するには、ストレージインフラを改革して、管理の効率化を図ることが必要になる。その運用改革を支援するためのストレージサービスの需要はこれからも増えると考えている。IDC Japanの鈴木康介氏(ストレージシステムズリサーチマネージャー)が以下のようにコメントしている。

 「2011年の国内ストレージサービス市場は、プロフェッショナルと保守の両方のサービスがともに堅実な伸びを果たした。ユーザー企業には、ITインフラ全般の運用効率化を図る改革機運があることと、東日本大震災を契機とした事業継続や災害対策の見直しの傾向が強いことなどが成長に寄与したとみられる。今後もストレージ統合、自動化、災害対策強化など従来からあるストレージインフラ運用改善の動きに加え、ビッグデータの活用事例に触発された企業内データ運用の見直しなどでストレージサービスのニーズは拡大すると予測される」

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ZDNET Japan クイックポール

マイナンバーカードの利用状況を教えてください

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]