日本アバイアは11月14日、日本を含むアジア太平洋地域5カ国の消費者を対象にしたコンタクトセンターでの顧客体験調査の結果を発表した。調査は今回で5回目。日本のほか、オーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、インドを対象にしている。
スマートフォンの導入率が高いシンガポール(86%)とインド(75%)の消費者は「企業にコンタクトする際、幅広い手段で連絡できるとうれしい」という回答が多い(インドで72%、シンガポールで70%)。一方でスマートフォンの導入率が低い日本(35%)では28%と低い。ネットとの親和性が高いスマートフォンを使用する消費者は、電話以外の手段で企業にコンタクトすることに、より積極的と推測している。
「問題解決までに企業にコンタクトする必要があった回数」と満足度の関係をみると、1回目で問題が解決された場合の日本の消費者の満足度は74%。だが4~5回コンタクトした後では31%に下がっている。この差は、5カ国の平均値(1回目80%、4~5回目65%)の約3倍だ。日本の消費者は、一度のコンタクトで問題が解決されることをほかの国の消費者より重視する傾向にあると分析している。
コンタクトセンターとのやり取りの結果、「他社の製品やサービスに乗り換える」とした消費者の5カ国の平均値を世代でみると、18~35歳のY世代は53%と、36~50歳のX世代の36%、51~66歳のベビーブーマーの24%、67~87歳のサイレントジェネレーションの21%と比べて高い。生まれた時からPCやネットに慣れ親しんでいる“デジタルネイティブ”であるY世代の顧客維持には、電話やメール、ソーシャルメディア、チャットなど幅広い接触手段への対応が必要になると提言している。
こうした調査結果から、スマートフォンが普及する中で、今後のコンタクトセンターには電話やメール、ソーシャルメディアなど、どの接触手段からの問い合わせにも、オペレーター間の対応のたらい回しの防止はもちろん、スムーズかつ一貫性のある対応が求められると提唱している。