この「4社の専門会社プラスNEC」によるソリューション展開は、セキュリティ事業への新たなアプローチスタイルともいえるが、果たしてユーザーから確固たる支持を得られるか、注目しておきたい。
「GoogleではWebブラウザがセキュリティ脅威に対する最前線の防御ラインになるべきだと考えている」 (米Google Ian Fette シニアプロダクトマネージャー)
米GoogleのIan Fetteシニアプロダクトマネージャー
グーグルが11月29日、Webブラウザ「Chrome」のセキュリティ機能に関する記者説明会を開いた。米GoogleでChromeのセキュリティ面を担当するシニアプロダクトマネージャーであるIan Fette(イアン・フェッティ)氏が来日したのを機に開いたもので、その説明会において、同氏がWebブラウザのセキュリティ機能に関するGoogleの基本的な考え方を語ったのが冒頭の発言である。
Fette氏によると、Chromeの開発においては「Speed (速さ)」「Simplicity(シンプルさ)」「Security(セキュリティ)」といった「3つのS」が原則になっているという。セキュリティが原則の1つになっているのは、インターネット上においてフィッシングなどのネット詐欺やマルウェアによるセキュリティへの脅威が横行する中で、Webブラウザこそがその防御ラインになるべきだというのが、Googleの基本的な考え方だからだ。
そうした原則に則って、Chromeにはさまざまなセキュリティ機能が備わっている。その代表的なのが、Webサイトにフィッシングやマルウェアが含まれる恐れがある場合に警告を表示する「セーフブラウジング」や、悪質なWebサイトにアクセスした場合の悪影響などを最小限に抑える「サンドボックス」といった機能である。
セーフブラウジングについてはGoogleはAPIを公開している。その理由についてFette氏は、「Googleが提供するサービスだけでなく、すべてのネットユーザーをセキュリティ脅威から守りたい」との思いからだという。
また、サンドボックスについては、「サンドボックス機能を備えているChromeを使用することで、その他のメカニズムと合わせて、セキュリティ脅威に対するリスクを大幅に低減させることができる」(ドイツのITセキュリティを担当する連邦機関であるBSI)といった外部の高い評価も得ているという。
そしてFette氏は説明会の最後をこう締めくくった。
「サイバー攻撃が日々行われている中で、Googleとしても絶え間ないイノベーションが必要だ。Chromeにおいても今後一層セキュリティレベルを高め、絶えず犯罪者よりも一歩先を行くことでユーザーをしっかりと保護していきたい」
「絶えず犯罪者よりも一歩先を行く」とサラリと語ったところに、Googleの強い自信を感じた。Chromeが今後どのように進化していくのか、非常に興味深いところである。
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